つらい時に楽しい音楽を聴くべきか、それとも悲しい音楽を聴くべきか。人のメンタルに関するある研究結果が発表された。
南フロリダ大学が発表したのは「うつ病と診断された人は悲しい音楽を好む」という研究結果。女子学生のうち健康な38人とうつ病と診断された38人を対象に、「幸せな音楽(天国と地獄)」と「悲しい音楽(弦楽のためのアダージョ)」を聴かせたという。
結果、うつ病と診断された人は健康な人よりも「悲しい音楽」に好感を持ち、心を落ち着かせ、リラックス効果が得られる効果もあったということだ。この結果から音楽療法や音楽セラピーに応用できる可能性もあるのではないかと注目されている。
臨床心理士で明星大学准教授の藤井靖氏によると、こうした研究は国内外でさまざま行われているそうで「悲しい歌詞と楽しい歌詞を同じメロディーで聞かせた場合、悲しい歌詞の方がより気分が沈んだ時にはいいとされる日本の研究もある」と紹介。また、音楽は記憶とリンクするとして「自分が元気になれた時の曲や、悲しい時を思い出して感傷的に浸れることもある」と説明した。
では、音楽を聞くこと以外に、悲しみに対処する方法はあるのか。藤井氏は「悲しい感情をどうするかというのは『ストレスコーピング』、つまりストレスへの対処と言え、できるだけたくさんあった方がいい」と、「コーピングリスト」の作成を勧める。
ストレスコーピングとは、「ケーキをワンホール食べる」「YouTubeを30分見る」「人のいないところで思いきりため息をつく」「新しいパンツをはく」といった日常でできることを100個書き出し、対処法として持っておこうというもの。自身のカウンセリングでは例を100個渡すそうで、できないものは自分ができることに置き換えてもいいという。
さらに、日常的な“ご褒美”を設定することも有効だとし、「ストレスはなかなか自覚できず、実は溜まっているということも多い。あとは基本的なことだが、睡眠時間と勤務時間をきちんと守ることも必要」だと述べた。
(AbemaTV/『けやきヒルズ』より)
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