「RTDでは2年連続準決勝で敗退しているので、内容以上に結果にこだわりたい」。 “麻雀軍師”として、プロ麻雀リーグ「Mリーグ」EX風林火山で活躍し、準優勝に貢献した勝又健志(連盟)。「RTD」には初年度から出場し、今期で4年目になる。RTDリーグ2016は予選敗退、同2017、同2018は2年連続準決勝で敗退したため「今年こそ」という思いは強い。
勝又は、グループBでRTDリーグ2018準優勝・内川幸太郎(連盟)、MリーグのTEAM雷電でもプレーする萩原聖人(連盟)、サバイバルマッチを制した金太賢(協会)と対戦する。
軍師・勝又の持ち味のひとつに「展開の創造」がある。「展開作りのポイントは、自分がリードする展開になった時に、いかに相手を2位でいいかなという思考に持っていけるかどうかなんで、あくまでも1位狙いで来られると、逃げる方も相当難しくなります」と萩原をはじめ、自分の麻雀を貫くタイプの打ち手が多いことを警戒している。
しかし逆に自分が追いかける展開になればチャンスはあると見ている。「仮にですけど、内川さんや金さんが先行して、自分が2番手にいて萩原さん3番手という展開でも、萩原さんが1位の人にプレッシャーをかけ続けてくれれば、1位の人からの(自分に対する)マークも外れやすくなるといった展開の利もあります」とすでに様々なシミュレーションを行っている。
リーグ戦が最も得意と自認しているが、トーナメントも経験豊富で、第2期麻雀グランプリMAX(2011年)でも結果も出してきた。とくに今回はグループ3位まで先に進めるトーナメント形式のため「相手がどういう狙いでくるのかを早い段階で読み取ること」を重視して戦う。
そしてセミファイナル(準決勝)通過確率を「1位100%、2位は75%、3位25%、4位0%」と独自にシンプルな数字に置き換え、2位と3位の差に着目し「相手が2位狙いをしようとしたタイミングが勝負どころなので、そこで踏み込む」と卓上でしか感じられない心理戦の隙を突く構えだ。
そのタイミングはどう見極めるのか。「手牌がいいだろうと読んだ人がオリた場合は、リスク回避の2位狙いだと読み取れ、逆に苦しい手と読んだ人が攻めてきた場合には、強引に1着を取りに来ているんだなと読み取れる」とし、相手の押し引きバランスから、狙いや思惑を推察し、臨機応変に作戦を変更していかなければならないと考えている。
対局相手の情報収集と研究に余念がない勝又だが、今回は3人全員対局経験もそれなりにあるため「グループAの対局を自分なりに振り返って、どういう戦い方が展開を作りやすいのかといったイメージトレーニングを重ねています」と対局相手より、システムの研究に時間を割いた。
「RTDトーナメント2019」の通過システムをどう捉え、どこで踏み込むのか。「麻雀IQ220」を誇る軍師の動向に刮目だ。【福山純生(雀聖アワー)】
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆RTDトーナメント2019 2016年から3年に渡り行われてきた「RTDリーグ」から、トーナメント方式に変更。昨年行われた「RTDリーグ2018」の予選リーグ(WHITE・BLACK)の上位各6人、推薦枠として2人の計14人に加え、予選リーグ7位の2人と新規参戦2人の4人による入れ替え戦(サバイバルマッチ)から上位2人が本戦に進み、計16人で行われる。16人はA~Dの4グループに分かれ、半荘4回戦で対戦。トータル2位が準々決勝A(上位3人が準決勝進出)、同3位が準々決勝B(上位1人が準決勝進出)へ、同1位は準決勝(上位4人が決勝進出)に進む。主なルールは一発・裏ドラ・赤(各種1枚)あり、全自動卓による自動配牌のMリーグルール。
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