俳優兼プロ雀士・萩原聖人。「人生の分岐点」とも話すRTDリーグ2018に初参戦したのは、昨年1月のことだ。その後、同年8月に日本プロ麻雀連盟へのプロ入りを電撃表明。株式会社電通率いるTEAM雷電からドラフト1位指名を受け、10月に「Mリーガー・萩原聖人」が誕生した。「RTD出場がなければ、そういう思考にも至らなかったかもしれないですし、そういう扉を開けなかったかもしれない」と麻雀が強い俳優から「俳優兼プロ雀士」に進化を遂げたきっかけと位置づけていた。
TEAM雷電は最下位でレギュラーシーズンを終えたが、3月31日に行われた表彰式の壇上には、口を真一文字に結んだ姿があった。「今までたくさん負けてきたけど、改めて不甲斐なさを突きつけられた場でもあった。そういう意味では、また火が点いた瞬間でもあるんですよ、実は」と30年を超える役者人生においても味わったことの無い“負けを晒される屈辱”をすべて受け入れ、心と体に刻み込んだ。
対戦相手は内川幸太郎(連盟)、勝又健志(連盟)、金太賢(協会)。「野球でも絶対的なクローザーの勝負球が甘く行くこともあれば、最高の決め球を投げても打たれることもある。そういった絶対は無いという怖さは麻雀という競技にもあるんですよね」とその勝負の機微こそおもしろいと感じている萩原は、相手が強ければ強いほど闘争心が湧き上がる性分だ。
Mリーグはチーム戦だが、RTDは個人戦となる。しかし萩原にとって“背負う”という部分では、その重みに対する認識は変わらぬものだった。「僕が役割はとにかく麻雀というものを1人でも多くの方に知ってもらい、見てもらう。それは勝手に思っているだけですけど、その任務は果たしたい」。グループBの全4試合の内容も結果も、TEAM雷電ファンをはじめMリーグファンに伝えることは、来期のMリーグにもつながっていくと考えている。
ここ数年、萩原世代以前は「昭和麻雀」と呼ばれ、ネット麻雀が普及したことで「平成麻雀」と呼ばれる流れがある中で、時代は「令和」を迎えた。「新しいすっげぇおもしろい“令和麻雀”というものを自分で体現していきたい。とにかくいろんなものに抗って、プロとしてやりたい」と未来を見据え、その新なる第一歩として「RTDトーナメント2019」のステージに立つ。
麻雀が強い俳優から「俳優兼プロ雀士」に進化を遂げたきっかけとなったRTD。「自分が負けてきたことのひとつの集大成となる麻雀が打ち切れれば、勝てると思っています」。昭和、平成を経て来た萩原が「令和麻雀」を創造する。【福山純生(雀聖アワー)】
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆RTDトーナメント2019 2016年から3年に渡り行われてきた「RTDリーグ」から、トーナメント方式に変更。昨年行われた「RTDリーグ2018」の予選リーグ(WHITE・BLACK)の上位各6人、推薦枠として2人の計14人に加え、予選リーグ7位の2人と新規参戦2人の4人による入れ替え戦(サバイバルマッチ)から上位2人が本戦に進み、計16人で行われる。16人はA~Dの4グループに分かれ、半荘4回戦で対戦。トータル2位が準々決勝A(上位3人が準決勝進出)、同3位が準々決勝B(上位1人が準決勝進出)へ、同1位は準決勝(上位4人が決勝進出)に進む。主なルールは一発・裏ドラ・赤(各種1枚)あり、全自動卓による自動配牌のMリーグルール。
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