将棋の順位戦A級1回戦が6月14日に行われ、渡辺明二冠(35)が木村一基九段(45)に133手で勝利し、A級復帰戦を飾った。渡辺二冠は昨年のB級1組で12戦全勝しており、順位戦連勝記録を「13」に伸ばした。
B級1組からA級復帰を果たした両棋士の対局は、ゆったりとしたペースで進行。午後6時からの夕食休憩を終え、夜戦に入ったところでも、本格的な戦いはまだ始まらず、夜が深まるにつれて、ようやく駒のぶつかり合いが始まる持久戦だった。
受けの巧者として知られる木村九段に対して、じわじわと攻勢をかけた渡辺二冠が優位に立つと、反撃に出た木村九段の攻めを断ち切り勝負あり。日をまたぐ寸前の午後11時53分に決着がついた。
渡辺二冠は永世竜王、永世棋王の有資格者で、タイトル22期の実績を誇りながら、名人位については挑戦の経験もなし。現在、3つのタイトルを保持する豊島将之名人(王位、棋聖、29)とは棋聖戦でもタイトルを争っているだけに、この白星をきっかけに名人挑戦へと邁進したいところだ。
(C)AbemaTV