6月30日、両国国技館で開催されたK-1のスーパー・バンタム級世界トーナメントは、武居由樹の優勝で幕を閉じた。
武居は同級の現チャンピオン。一昨年のK-1年間表彰ではMVPを受賞しており、現在のK-1を代表する選手の一人だ。今回のトーナメントはベルトをかけたものではないが、武居は絶対的優勝候補。今大会には武尊が出場していないこともあり、イベントそのものを背負う意味でも負けられない闘いだった。勝つだけでなく内容も問われるトーナメントで、武居は圧倒的としか言いようがない闘いぶりを見せた。
1回戦、フェザー級王者の村越優汰にも勝っているアレックス・リーバスをボディ攻撃で1ラウンドKO。準決勝も玖村修平を1ラウンドで倒した。蹴りからバックブローにつなげるコンビネーションでダウンを奪い、そこから一気にラッシュ。どちらもド迫力の勝利だ。
そして決勝、玖村兄弟の弟でKRUSH王者の玖村将史には2ラウンドでKO勝利。相手が蹴りを打ち終わった瞬間の無防備な状態を見逃さずにパンチを打ち込み、さらに倒れていく瞬間、顔面に蹴りを叩き込んだ。完璧すぎるKO勝利だ。
次元の違う強さを見せつけた武居だが、実は「プレッシャーで夜も眠れないくらいでした」という。K-1では常に武尊が先を走っており、メインを締めるのも2年ぶり。自分がメインを締めくくることを目標にしてきた部分もあると武居は言う。
K-1を背負う。その強い覚悟がプレッシャーになり、また武居の背中を押すことにもなった。敗れた玖村修平は、武居について「離れ際にもガッツリきた。勝利への貪欲さを感じました」と語っている。この階級では完全に敵なし状態となった武居。しかしまだまだ先を見ている。リング上では、こんな言葉も。
「いま格闘技界を引っ張っている凄い2人に置いていかれないように、追い付けるように頑張っていきます」
この2人が誰を指すのかは、言うまでもないだろう。K-1の顔、そして格闘技界の顔へ。もうすぐ23歳になる若者には、さらなる高みが待っている。
(C)AbemaTV
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