「男子生徒が心配です。先生、力を貸してください」
岐阜市で中学3年生の男子生徒がマンションから転落死したとみられる問題が発生した。この件に関連して5日、岐阜市教育委員会が会見を開き、いじめの存在を知らせるメモが他の生徒から担任教師に寄せられていたことを明らかにしたが、生徒の切実な願いを託した一枚のメモは、担当教諭によってシュレッダーにかけられ、男子生徒の命を救う助けにはならなかった。
5月末、同級生の女子生徒がいじめの存在を紙に書き記し、担当の教師に訴えていた。そのメモには、男子生徒が複数の生徒から平手打ちをされたり、金銭を要求されたりするなどの具体的ないじめの内容を記したものだった。にもかかわらず、事態は動かなかった。担任教師は、該当する生徒に指導を行った後に「問題が解決した」と考え、メモをシュレッダーにかけて廃棄した可能性が高いという。メモの内容は学校内で共有されておらず、さらに先月実施された「困っている人はいるか?」という校内アンケートでは、死亡した生徒の名前が挙がっていたことも分かっている。