将棋の王位戦七番勝負第3局が8月8・9日、福岡県福岡市「大濠公園能楽堂」で行われ、初タイトル獲得を目指す木村一基九段(46)が、豊島将之王位(名人、29)を118手で下し、同シリーズ初勝利をあげた。第4局は8月20・21日、兵庫県神戸市の「中の坊瑞苑」で行われる。
 ついにベテランの反撃だ。第1局は完敗、第2局は終盤まで優勢ながらも逆転負けと、悔しい黒星が続いていた木村九段は、負ければ早くも王手をかけられる本局で奮起。1日目から戦いが始まると、2日目は一転してお互いが長考。2日目の昼食休憩時点で、持ち時間で2時間ほどリードを奪うと、その後の勝負どころでじっくり時間を使って着実に優勢に。自玉周辺を広くする受け巧者ぶりも見せ、粘る豊島玉をきっちり寄せ切った。対局後、木村九段は「正解が読めない局面が続いたんで苦しいかなと思っていました。最後、玉が安全になって、そのあたりでよくなったかなと思いました」と振り返った。