将棋の王位戦七番勝負第4局が8月20・21日、兵庫県神戸市「中の坊瑞苑」で行われ、挑戦者の木村一基九段(46)が、豊島将之王位(名人、29)を285手で下し、同シリーズの成績を2勝2敗とした。木村九段はタイトル挑戦7度目で、獲得すれば史上最年長でのタイトル獲得記録を大幅に更新する。
 第1・2局と、現在の将棋界序列1位に君臨する豊島王位に敗れた木村九段だったが、第3局で初勝利。第4局では中盤以降ペースを握ると、相入玉までもつれ込んだものの豊島王位に点数を許さず(24点未満)、負けない将棋に徹底した。本局を落とせば防衛に王手をかけられる一局だっただけに、大きな白星となった。解説した棋士からは「入玉もプロ」と言われるほど、長手数の将棋の強さを見せた。熱戦を制した木村九段は対局後「ちょっと(豊島王位の)王様を逃してしまったので持将棋になってしまうかなと。よくわからない難しい将棋でした」と振り返った。