「憲法改正で南北連邦制に」文在寅大統領が描く”赤化構想”とは?元駐日大使館公使が語る韓国の未来
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 二審で懲役25年、罰金約20億円の実刑判決を受けていた朴槿恵前大統領の上告審。注目された判決は、高裁への差し戻しだった。

 朴前大統領は崔順実被告を国政に介入させた職権乱用、韓国ロッテグループの重光昭夫会長、サムスン電子の李在鎔副会長らからの賄賂受け取りなど、18の罪状で起訴されていたが、二審判決には"法令違反"があったからだという。

■"法令違反"最高裁判断の背景に文大統領の思惑も?

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 この最高裁の判断について、韓国の法制度に詳しい弁護士の高初輔氏は「世論や大統領の意向といったものと関係があったのかどうかは別にして、韓国の公職選挙法18条において、収賄罪とその他の事件は分離して判決宣告をしなければならないと定められているので、これは破棄せざるを得ない、ということだ」と話す。

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 「これまでこの点が議論にならなかったのは 控訴・上告したのは検察だけで、その論点が無罪部分についてだったからだ。したがって本来であれば最高裁も審理、判断すべきものではないが、判決に影響を及ぼす"法律違反"という論点については職権で審判すべき事項となっているという背景がある。これで裁判が長引くことは避けられないし、量刑が重くなる可能性も高いと思う。以前、刑が重くなるということを理由に、"この公職選挙法の規定は憲法違反だ"と主張して裁判を起こした人がいたが、結局、合憲となっている」。

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 一方、元駐日韓国大使館公使で統一日報の論説主幹を務める洪熒氏は「基本的に"政治裁判"、"革命裁判"だから結果は決まっていた。文大統領には今、国内外から色んな強い圧力があるし、判決の少数意見などを見ても、文大統領が任命した最高裁判所の裁判官たちも負担を感じていた。これまで逮捕・起訴された大統領は、すべて有罪判決の後で赦免されている。ここで判決を確定さえてしまえば、朴槿恵をそのまま実刑するのか、それとも赦免するのかという、ものすごく政治的な判断を迫られる。ここで差し戻すことで、まずは時間稼ぎし、自らに有利なカードとして使おうという狙いがあったと思う。サムスン電子の李在鎔被告についても、おそらく執行猶予ではなくて実刑になる。これもサムスンという財閥を解体したい文大統領の思惑がある」との見方を示す。

■"復讐の歴史"歴代大統領の悲劇的な末路

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 しかし、韓国ではなぜこれほどまでに元大統領が逮捕されるのだろうか。

 洪氏はまず、「権力を利用し、脱線した最高権力者の家族や親類を逮捕し処罰できるというのは、司法がうまく機能している証拠でもある。しかし、大統領の暴走を抑えるような仕組みが機能していない」とした上で、次のように話す。

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 「韓国では"圧縮成長"という言葉を使うが、欧米で産業革命以来300年かかったことを4、50年でやろうとする中で"政変"が続いている。結局、民主化を訴え、文民政治家だと言われていた大統領の方がお金のスキャンダルを抱えていたということだ。特に、1987年の民主化後が問題だ。その前後に大統領を務めた全斗煥と盧泰愚が逮捕された時に大統領だった金泳三は、自分が陥った窮地から脱出するために憲法が禁じる遡及立法で裁いた。金大中の場合、朴正煕と全斗煥の2人の大統領に殺される可能性があった。でも彼らは実行しなかったので、金大中は大統領に就任後も報復をしなかった。李明博については、家族の収賄がバレたことを恥じて自殺した盧武鉉を追い込んだ復讐として、朴槿恵大統領時代に逮捕された。そして朴槿恵だが、文在寅大統領は建国大統領の李承晩と30年も治めた朴正煕の歴史を否定したい。朴槿恵はその朴正煕の娘だからだ。また、朴槿恵は2014年、韓国における日本共産党のような政党・統合進歩党を解散させた。文大統領は解散した統合進歩党と政策連帯や選挙協力などをやっていたので、その復讐だ」。

■検察当局の矛先が文大統領に変わった?

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 さらに洪氏は「あまり報道されなかったが、国会で公職選挙法改正案が通った。これは今の選挙制度の根幹を変えるものだ」と主張する。「建国70年過ぎ、初めて社会主義を夢見る文政権が登場し、再び政変が起きている。来年4月に総選挙があるが、そこで3分の2を取り、社会主義憲法を作ろうということだ。そのために無理をしている」。

 文大統領の憲法改正の方向性には、2期8年とする大統領任期の延長や、南北連邦制、いわゆる高麗連邦制への移行、そして"社会主義的な統一"として「土地の国有化」「個人の所有権を認めない」「財閥解体」といった政策を含む未来像があるという。

 「南北が連邦制を組むということは、分かりやすく言えば日本と中国が連邦制を組むのと同じことだ。中国共産党が支配する中国と日本が連邦制を組めるだろうか。そのためには韓国を北朝鮮に近い体制に変えるしかないということだが、北は共産主義革命を禁じ、自由民主主義体制を守る装置である国家安保法の撤廃を要求してくるだろう。そして国家情報院の解体と在韓米軍の撤退だ。文大統領もこれを目標としている」。

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 そんな文大統領の周辺では疑惑が浮上している。次の法相に内定していたという"懐刀"、曺国前大統領府首席秘書官が、娘の不正入学や、奨学金の不正受給などの疑いを持たれているのだ。一部の韓国メディアは、野党議員の「朴槿恵の時と何が違うのか」という言葉を報じている。これについて洪氏は「朴槿恵に向けられていた検察の矛先が文大統領に変わった。これは大きい。尹錫悦を検察総長にすれば、自分の思い通りなりと思って任命したのに、尹錫悦はそういう男ではなかった」とし、「朴槿恵に適用された経緯がそのまま有罪だとすれば、文大統領の行為もそれに当てはまり、当然逮捕されることになる」として、文大統領自身も罪に問われる可能性はあるとの見方を示した。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)

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