デビュー3年目に後続艇のプロペラで顔を切り刻まれるも、不死鳥の如き復活。その後は10年連続SG「グランプリ」出場、SG優勝10回など数々の記録を打ち立てた元ボートレーサー・植木通彦が9月14日、AbemaTV「アベマde週末ボートレース~Saturday~」に生出演。超一流ならではの感覚を語った。
ボートレースのスタートは、大時計の針が0秒から1秒を指す間にスタートラインを通過しなければならない。その針が0秒を指す前にラインを通過してしまうとフライング。これを犯した艇に関する舟券は全額返還され、当該レーサーは特定期間出場停止のペナルティが課される。まさしく、コンマ何秒。常人には考えられない世界だが、ボートレーサーたちは誰しも、その感覚を持ち合わせているというのだ。
「フライングの景色がある」。植木曰く、「4秒で80メートルの空中線(スタートラインから5メートル、45メートル、内80~85メートルの位置を表示)をどうくぐるか」がポイントとのこと。インコースとアウトコースでも見える景色は違うそうで、スピードにのせてスタートに挑むアウトコースは空中線が一瞬で過ぎる一方、スロースタートのインコースはゆっくりと視界を通り過ぎるのだそうで、「空中線がかすかに残っていないとダメ」と感じるとアジャストするのだそうだ。
これを聞いた共演者のボートレース好き芸人・平成ノブシコブシの徳井健太と渋谷ABEMAS所属のMリーガー・多井隆晴は、「超一流だからできる」と驚愕。フライングタイミングは80メートル手前から分かるそうで、直前で体を起こすのはスピードを微調整をしているとも解説した。
「カッコいい」。思わず呟いた多井は、「麻雀プロに、そんな話はひとつもない」と自虐的コメントをしつつも羨望のまなざし。徳井も「0.1秒以内は人間には分からないらしいから、それは超感覚」と人間離れした技術に目を丸くするばかりだったが、植木は「ボートレーサーはみんな、0.5秒と0.6秒の違いは分かる」とひとこと。共演者たちをただただ唖然とさせた。
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