日本プロ麻雀の最高峰リーグA1リーグを長きに渡って主戦場とするレジェンド雀士の沢崎誠(連盟)が、Mリーグ新規参戦チームのKADOKAWAサクラナイツからドラフト指名され、64歳の最年長Mリーガーが誕生した。
今シーズンからはセミファイナル制が導入され、優勝チームが決まるのは2020年4月末という半年以上に渡る長丁場の戦いとなる。
全役満を完全制覇し、麻雀におけるスタミナは無尽蔵とも言われている沢崎だが「年齢的に移動が一番疲れる」と、開幕前に対局スタジオに徒歩圏内で通える場所に居を構えた。「小さい部屋ですが、寝て起きられればそれで十分。状態を良くして麻雀を打ちたいですからね」と、すでに試合に集中出来る環境を整えていたのだ。
粘り腰のある麻雀から「マムシ」とも呼ばれる大ベテラン。「(対局を)見ていて違和感のあるものは取り入れたい。違和感があるということは発想が違うということ。技術って何かというと発想なんですね」と飽くなき探究心を持ち続けている。
発想を試す行為を沢崎は“練習”と呼ぶ。「ただその発想は自分とは違うから、すごい違和感がある。それを受け入れると(自分の)麻雀は壊れるんですよね。だから壊れて、それを消化して、立て直してからまた異物を入れる。そういう訓練ですよね。それを何年もやりますからね」と1984年にプロ入りして以来30年以上、自分に無い発想を取り入れていく練習=訓練を繰り返して来た。
チーム初の練習会では「対局する前にこれは勝てないなと思いました。持っているものが違うんですよね」と内川幸太郎(連盟)と岡田紗佳(連盟)にスター性を感じ「だから2人に任せても全然大丈夫ということです。そのぐらい信頼してますから。(仮にチームが)ラスラススタートでも全然関係ない。半年間あれば、十分にクリアできます」と悠然と構えている。
沢崎といえば、KONAMI麻雀格闘倶楽部の藤崎智(連盟)や女流プロで史上初のG1タイトル「王位」を獲得した清水香織(連盟)を育てた名伯楽としても知られている。「僕は教えるということはしないんですよね。やっぱり麻雀って楽しいゲームですから、好きに打ってほしい。攻撃型、防御型、自在型と人によってタイプが違うわけですから、それに似合うような助言はしますけどね」とこれまでも魅力ある打ち手を育ててきた大ベテランが、内川、岡田の2人をもさらに大きく育てていく。
2020年4月、満開の桜の下で“サクラサク”未来に向かって、10月1日、KADOKAWAサクラナイツが始動する。【福山純生(雀聖アワー)】
◆沢崎誠(さわざき・まこと)1955年1月13日、群馬県生まれ。日本プロ麻雀連盟所属。第13期十段位、第16・27期麻雀マスターズ、グランプリ2007、麻雀最強戦2013、麻雀日本シリーズ2017他多数。
◆Mリーグ 2018年に発足。同年10月から7チームによるリーグ戦を行い、初代王者の赤坂ドリブンズが優勝賞金5000万円を獲得した。2019シーズンから新たにKADOKAWAサクラナイツが加入し、全8チームによるリーグ戦に。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合を行う。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。
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