“クリスチャン”中村哲医師がモスクを建設した理由「これで解放された」
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 アフガニスタンで銃撃され死亡した医師・中村哲さんの追悼集会が4日、現地ジャララバードで行われた。追悼に来た市民からは「非常に悲しい。中村さんは私たちを大切にしてくれた。たくさんの人々の助けになってくれた」「大きな悲しみだ。彼には借りがある。中村さんは今後人々の心に何百年と残るだろう」といった悲しみの声があがった。

 中村さんがNGO「ペシャワール会」の会報に寄せた最後の手記には、「最近の降雨は予測が不可能で、大丈夫と思っていた箇所が鉄砲水で決壊したり通過水量をはるかに超えたりで、その都度マメに補修しながら守る以外にないのです」と、温暖化の影響を嘆きつつ今後も工事に立ち向かう決意が綴られている。ペシャワール会は、中村さんに対する一番の供養は尽力してきた用水路建設を続けていくことだとしている。

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 中村さんは用水路や井戸の建設に尽力し、事業で潤った土地は東京ドーム約3500個分にあたる約1万6000ヘクタール。約60万人が恩恵を受けたとされる。またそれだけにとどまらず、モスクやマドラサ(イスラム神学校)を建設し、「水が来た時ももちろんよろこびましたけど、モスクが建つと聞いてもっとよろこんだんですよ。『これで解放された』と言った。それまで自分たちが営んできた伝統的な生活がすべて、外国の進駐によって否定されてきたわけですよね。イスラム教徒であることが悪いことであるかのように、一種のコンプレックスが(村を)支配していた。やっぱり“地元の人が元気がでるには”というのはありましたよね」と話している。

 クリスチャンであると報道されている中村さんの宗教の垣根を超えた活動に、アーサー・ホーランド牧師は「こういう素晴らしい人がこういう形でこの世を去っていくというのはなんでだろう、こういう人こそ長生きして活動を続けていってほしかったと思う。彼の働きを見て思い出したのが“敬天愛人”という言葉で、信仰的なバックグラウンドに凝り固まらず、本質的な部分で宗教の壁を超えて世のためになる働きをしていく。宗教によって戦争が起こっている中で、その教えが世界共通だということを身をもって表した。今教育が話題になっているが、彼のように自分が生きて体験したことを見せてくれる教育こそ世の中に必要で、僕も爪の垢を煎じて飲みたいぐらい」と讃える。

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 また、中村さんが「いくら薬をつぎ込んでも飢えや渇きは治せない」と用水路事業も進めたことについて、「中村さんは“悲しむものは幸いだ その人は慰められる”とか“心の貧しい人々は幸いだ 豊かな命はその人のものだからだ”という言葉が好きで、実践していたと聞いている。彼の働きに本当に感謝しながら、そのスピリットを受け継いでいきたい」と説いた。

(AbemaTV/『けやきヒルズ』より)

映像:中村医師が携わり緑化した大地

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