スペインで開かれている、地球温暖化対策を話し合う国際会議「COP25」に出席している小泉進次郎環境大臣。11日のスピーチでは、海外からの批判を意識し「日本は脱炭素に向け具体的な対応をとっている」と強調した。
地球温暖化に関して日本への風当たりは強いが、それは二酸化炭素を多く排出する石炭火力発電を推進しているためだ。COP25の会場があるマドリードではデモが起き、「さよなら石炭!」「安倍さん安倍さん、石炭やめろ」といったコールも響いた。
スピーチに向け小泉大臣は「3分間という大変短い制限時間のスピーチ、ステートメントだが、その中で込めたいメッセージは厳選をした上で、しっかりと発信したい」と語っていた。
日本人の環境・エコ意識に関して、ここ10年で関心が薄れているのではないかという調査結果がある。花王 生活者研究センターの調査(2008年~2017年)によれば、環境・エコに「関心がある」「やや関心がある」と答えた人の割合は、20~60代の既婚男女、20~30代の未婚男女のすべてで低下。一方、「環境を良くするために何をしていいかわからない」という人の割合は、すべての世代で上昇した。
これらの理由について、『ニューズウィーク日本版』の長岡義博編集長は「日本はゴミの分別などがすでに他国より進んでいるので、『もう自分たちは十分やっている』という意識が広がっている可能性が1つ。一方で、未来の環境の話をするよりも、石油を使って現実が豊かになる方が大事だという意識があるのではないか」との見方を示す。
11月26日号の『ニューズウィーク日本版』では、「プラスチック クライシス」と題した特集を組んでいる。「便利なプラスチックをやめられない人間」として、世界のプラスチック生産量が年間4億トンに達し、その内約800万トンがゴミとして海へ流出していること。そのゴミを魚や鳥が食べる→別の生物がその魚や鳥を食べることで、海・生態系への影響が深刻化していると警鐘を鳴らしている。
実際に被害を受けた動物の写真も用いたこの特集に関して、長岡氏は「環境問題はなかなか日本の読者に直接アピールしにくい」と説明した上で、「アメリカでは屋外で自動販売機は見かけないし、中国でもお茶を魔法瓶のようなものに入れて飲むのが当たり前で、日本ほどペットボトルが普及している国はないと思う。ごみのペットボトルがすべてリサイクルされているかというそうではなくて、かつては中国、今は東南アジアに輸出され、そこで不十分に燃やされたり埋め立てられたり、海に流されたりしている。東南アジアの人たちの生活・健康を害しているという想像力を、我々先進国の人間は持つべきだ」との考えを述べる。
では、ゴミ処理の技術が進歩することで改善できる問題なのか。長岡氏は「高温で燃やして有害物質が出ないようにする焼却炉も増えていて、それを増やすのは現実的な手段だと思う。一方で、ペットボトルに税金をかけて値段を上げてしまうことで、使用を抑制することもできるのではないか」と提示した。
(AbemaTV/『けやきヒルズ』より)
▶映像:被害を受けた動物の画像
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