EU圏内の温室効果ガスを“実質ゼロ”に 世界で注目されるCO2の「地中貯留」とは
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 11日、欧州委員会が「欧州グリーンディール」と名付けた環境対策の概要を公表した。

 欧州グリーンディールでは、2030年までに温室効果ガスの排出量を従来の40%減から50%減に引き上げ。2050年には、EU圏内での温室効果ガスの排出を“実質ゼロ”にする法案を2020年3月までにまとめる方針を示した。また、環境問題のインフラなどに向け、欧州委員会では1000億ユーロ、日本円で約12兆円の資金供給の仕組みを作るとしている。

 では、どのようにして温室効果ガスの排出を実質ゼロにするのか。今、世界各国で注目されているのが、二酸化炭素を地中深くに閉じ込める「地中貯留」という方法だ。国立研究開発法人NEDO環境部の新郷正志主査は、「CO2だけを分離・回収して地下に貯留することで、CO2の排出量を削減するという方法が海外では実用化されている。ガスの状態で埋めるのではなく、超臨界といわれる気体と液体の両方の特性を持つ状態で埋めるので、ガスがプクプクと出てくるようなイメージとは若干違う」と話す。

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 地中貯留は、工場などから排出される二酸化炭素が大気中に拡散する前に、地中に含まれる油などを抜いて地下深くに閉じ込めることで、長期間にわたって安定的に貯留する技術。技術が確立すると、世界の70年分の二酸化炭素が地下に埋められるようになるといわれており、地球温暖化対策の切り札だ。

 「化石燃料由来のCO2をまた地中に戻すという、どちらかというとループさせているイメージ。もう一度、二酸化炭素成分の中から地中に戻してあげるというイメージに近い。時間さえ経てば、定着するということはありえると思う」と新郷氏。一方で、「再生可能エネルギーといわれる太陽光エネルギーや風力とかエネルギーが安定的に取れるまでは、化石燃料というのは使わざるを得ない」とし、「そのためには何らかのCO2対策というのをセットで考えることが重要」と指摘した。

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 フォンデアライエン欧州委員長はEUを「世界初の気候中立大陸」にすると公約を掲げており、「この変革のコストが高すぎるという意見もあります。行動しないことへの代償がいくらになるのかを決して忘れないようにしましょう」と呼びかけている。

(AbemaTV/『けやきヒルズ』より)

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