K-1 KRUSH FIGHTの2019年最終戦となる後楽園ホール大会が、12月15日に開催された。メインイベントはスーパー・フェザー級タイトルマッチ。王者レオナ・ペタスの初防衛戦だ。30戦以上のキャリアを持つレオナは、前回の試合で西京佑馬を下し悲願のタイトル獲得を果たした。その一つ前の試合では小宮山工介にKO勝ちしており、絶好調と言っていい。
挑戦者は山本直樹。全日本キック、K-1 MAX、KRUSHと活躍してきた山本優弥氏(優弥道場代表)の弟で、何度も手痛い敗戦を喫しながらタイトルマッチに駒を進めてきた。セミファイナルではレオナの弟、加藤虎於奈が元ウェルター級王者の牧平圭太と対戦し、ダウンを奪われながら逆転KO勝ち。「メインで兄ちゃんもやってくれるでしょう!」というマイクに背中を押されてのリングとなった。
虎於奈もセコンドについてスタートしたタイトルマッチは、ゴング直後に山本が仕掛け一気に打ち合いとなった。しかし徐々にレオナが距離を支配。接近戦で右を連打しダウンを奪う。その後も落ち着いて試合を進めていくレオナ。山本もダメージを感じさせない闘いぶりを見せた。
2ラウンド、距離をキープしながら接近戦でパンチをまとめていくレオナ。山本も突っ込んでいくが、チャンピオンは応戦。的確にパンチをヒットさせて3度ダウンを奪い、ノックアウトで初防衛を決めた。
セミファイナル、メインイベントで兄弟揃ってKO勝利。虎於奈は「元チャンピオンに勝ったんで、木村選手お願いします」と木村“フィリップ”ミノルが持つウェルター級王座への挑戦をアピールしている。
兄・レオナは「俺、やっぱ強いでしょ。弟も強いでしょ。母ちゃんが元気になるようにK-1のベルト獲りたいんで。お願いします」とK-1王者・武尊に挑戦表明してみせた。兄弟ともに思いは同じ。闘病中の母親を元気づけるためにも、格闘家としてステップアップした姿を見せたいのだ。
虎於奈はダウンを喫しながら「こんなに楽しいことがあるのか」と感じていたというからとてつもないハートの強さだ。現時点で王者・木村に勝てる可能性は「0.01%」。しかしそれを30%まで上げれば「奇跡は起こせると思ってます」。
一方、レオナは「研究されてましたね」と言いながらも「一発一発の威力がついた」とKO勝利の感触を語った。「弟にも負けられない」という気持ちもあったようだ。武尊戦は以前からアピールしており、自分が挑戦者の最右翼だという自信もある。
「武尊選手はライバルがほしいって言ってたので。アマチュア時代に1勝1敗ですし、僕ならライバルになれるんじゃないですか」
またレオナは「弟に追いつかれないように、もう一本(K-1の)ベルトを」と語ってもいる。来年は兄弟チャンピオン誕生だけでなく、兄弟のライバル関係にも注目だ。