誰もが緊張する佳境の試合、“ロボ”はどこまでもクールだった。大和証券Mリーグ2019・2月20日の第2試合で、U-NEXT Pirates・小林剛(麻将連合)が序盤のリードを守り切り、今期7勝目を獲得した。
この試合の対局者は、KONAMI麻雀格闘倶楽部・前原雄大(連盟)、小林、EX風林火山・勝又健志(連盟)、TEAM雷電・黒沢咲(連盟)の並びでスタート。
小林は東1局に早々チャンス手を迎え、タンヤオ・ツモ・赤・ドラ3の1万2000点をツモって先制に成功した。さらに東4局2本場には前原からリーチ・一発・タンヤオ・平和・一盃口・赤2の1万2000点(+600点、供託1000点)をアガり、一人抜け出した格好となった。
オーラスは、し烈な2着争いに対して「(競っているチームの)どちらがアガるのが、自分にとって良いのか」という悩みを抱え、仕掛けへのアシストや差し込みを考えたことも明かしたが、「よくわからないので点棒を減らさないように」として安全策を取り、無事に終戦して7勝目となった。
勝利者インタビューでは、「(チームスコアが)プラスになって良かった」と安堵の表情。試合中は決して見せない柔らかな表情にファンも「ナイス船長!」「よーやった!」と祝福コメントを投稿した。
インタビュアー松本圭世から「流れを感じましたか?」「(勢いは)来ていましたか?」といった“口撃”も受けたが、全くこれを寄せ付けず、この点では対局同様に落ち着き払っていた。
デジタル雀士の旗手としてキャリアも長い小林は、「流れ」「勢い」といった言葉を使わない。また、同じデジタル雀士が揃うチームの中でも、やはり抜群の落ち着きぶりと、ラス回避率の低さ(92%)に代表される安定感で、この日はチームのセミファイナル進出に大きな一勝をもたらした。
プレッシャーがあるかどうか聞かれると、小林は「僕は鈍感なので」と謙遜してみせた。ただ、卓上で3者の動向に目を配り、「何を鳴く、何を切る」に神経を注ぐその姿は、実は繊細そのもの。麻雀は選択までが実力10割、導き出される結果に対しては全てが運。そう割り切るからこそ結果に「鈍感」となり、強心臓ぶりが表れ、成績も安定する。
敗退ライン間際、下位から狙われるポジションにいたチームも、この日の勝利でスコアを大幅に改善、5位をキープした。航海の終わりももうすぐ。トロフィーの眠る宝島まで、鉄の心臓を持つ船長小林が、仲間を導いていく。
【2回戦結果】
1着 U-NEXT Pirates・小林剛(麻将連合)5万3600点/+73.6
2着 KONAMI麻雀格闘倶楽部・前原雄大(連盟)2万3600点/+3.6
3着 TEAM雷電・黒沢咲(連盟)2万1100点/▲18.9
4着 EX風林火山・勝又健志(連盟)1700点/▲58.3
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
【2月20日終了時点での成績】
1位 セガサミーフェニックス +388.6(80/90)
2位 KONAMI麻雀格闘倶楽部 +185.4(80/90)
3位 KADOKAWAサクラナイツ +75.8(80/90)
4位 TEAM雷電 +63.4(80/90)
5位 U-NEXT Pirates +43.520.6(80/90)
6位 渋谷ABEMAS ▲88.1(80/90)
7位 赤坂ドリブンズ ▲192.2(80/90)
8位 EX風林火山 ▲496.4(80/90)
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。
(AbemaTV/麻雀チャンネルより)