<大相撲大阪場所>◇千秋楽◇22日◇東京・エディオンアリーナ大阪
横綱・白鵬(宮城野)が、横綱・鶴竜(陸奥)を寄り切りで下し、13勝2敗で自身44度目の優勝を成し遂げた。新型コロナウイルスの影響で、歓声のない無観客開催という特殊な環境下でも、横綱の地力で白星を積み重ね、「白鵬健在」を印象づけて大坂場所を締めくくった。
千秋楽相星決戦は、2013年九州場所、白鵬と日馬富士による横綱決戦以来7年ぶりとなったが、スピード感ある立ち合いから流れの中で、うまく四つ相撲に持ち込むと、少しずつ体勢を整え、最後は万全の寄りで賜杯をもぎ取った。
世界中で猛威をふるす新型コロナウイルスの影響で、白鵬自身「どうなるか分からない」と場所前にこぼしていた大阪場所だったが、最後まで安定したのは横綱の強さだった。十日目、十二日目こそ黒星を喫したものの、序盤は張り差しなどから得意な形に持ち込む相撲を見せると、十三日目には大関候補の関脇・朝乃山(高砂)を真正面から受け止め、圧力をかけて完勝。本場所よりも稽古場の方が、実力が出るとも言われる相撲の世界において、観客なしという稽古場に近い環境下となった今場所では、千秋楽結びの一番で優勝を争った両横綱の安定感が光る形となった。
AbemaTVで解説を務めた元横綱・若乃花の花田虎上は、「鶴竜もいい立ち合いでした。でも実力どおりですね。白鵬、余裕があります。今場所一番、余裕があった」と、その強さに感服していた。
(AbemaTV/大相撲チャンネルより)