新型コロナウイルス感染拡大を受けて4月7日に発令された緊急事態宣言。これにより大手百貨店が次々と休業を始めている。これにより大手の百貨店などに納入するはずだった食品が大量に売れ残り、卸売業者からは「食品ロスを助けて」と悲鳴の声が上がっている。
大手百貨店などに、主に野菜や青果物などを卸している経営者の三浦大輝さんは、取引先から突然、休業の連絡を受けた。「百貨店さんは一昨日(7日)ですかね、営業を取りやめて、という急なものがあったので。この先1カ月間休まれるような百貨店もあるということで、どれだけのダメージになるかは、現状では見当がつかない」と困惑した様子。「突然ですね。本当にその当日というか、急にもう『明日から営業停止になります』という連絡が入ってきた。うちみたいな卸をやっている立場としては、おおよそこのくらい売れるだろうと農家から発注を事前にかけているものもあるので、そのあたりは売り先がないっていう状態」と、抱える食品在庫に悩んだ
そこで三浦さんは「緊急事態宣言に伴い、取引先の百貨店が急遽休業を取り決めたことで本当に大量のフードロスが発生しています」とTwitterなどで呼びかけた。実際、どのぐらいの「食品ロス」が出ているのか。
三浦さんによれば「特に葉もの野菜は1日、2日が勝負になってくるので、インターネットでなんとか売れないかなと、まさに今試行錯誤している状況」だ。在庫を抱える冷蔵センターには「トン単位で在庫がある。もっともっとある」と現状を語った。
頭を抱える卸売業者は他にもたくさんある。大田市場・豊洲市場に入っている仲卸の話を聞いたところ「30%、40%売り上げ下がってますよというところは耳に挟む。状況としてはかなり深刻なのでは」と心配した。
Twitterでは「原価で買ってほしい」とも呼びかけところ「かなりDM等でコメントいただいて、メッセージも見切れないレベルでいただいている」と反響は絶大だ。現在は野菜をロスせず食べてもらおうと、急ぎでネットの販売サイトを作っている最中だという。これも1人でも多くの人々に、野菜を届けたいという思いからだ。
三浦さんの卸先である百貨店、スーパーは大量に人が集まることから「クラスターの危険もある」と気になっている。「家庭内で(買い物が)済むような形の宅配だとか置き配も出てきていますけど、個別で配送できる仕組みをより強化していきたい」と、危険を避けた上での提供方法も模索中だ。
食品を廃棄するよりも、原価で提供し赤字覚悟でこの現状を切り抜けようとしている三浦さん。だが、緊急事態宣言の期間は5月6日までと先が長い。「この状況があと3カ月続いたら、もうもたないと話されていまして、うちも正直同じくらいですね、だいたい3カ月くらい続くときついかなという状況です」。これまでインターネット販売などをしてこなかった業者にとっても、生き残りをかけた新たな売り先開拓の動きが出てきていると付け加えていた。
(AbemaTV/『けやきヒルズ』より)
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