これがおおらかな時代というものか。将棋の羽生善治九段(49)が、番組企画で将棋にまつわるエピソードを聞かれ、デビュー直後の“昭和の将棋”について「基本、午前中な雑談の時間」「お昼ごはん食べてから始まる感じ」など、対局時でものんびりとした様子があったことを紹介した。
羽生九段は、プロ将棋界初となる超早指し団体戦「第3回AbemaTVトーナメント」に鈴木大介九段(45)、三枚堂達也七段(26)とチームを組んで出場。チームワークを高めるべく、事前の収録では3人でうさぎカフェに行き、「どうぶつしょうぎ」で対戦するという、なんとも癒やし感満載の一時を過ごしていた。
最後のコーナーとして収録されたトーク部分で、将棋に関する失敗談やエピソードを聞かれると、鈴木九段が「デビュー戦で足が痺れて転んだ時に、駒も駒台も全部ひっくり返した」、三枚堂七段が「佐藤康光九段(日本将棋連盟会長)の対局で遅刻した」といったものを披露。それぞれ痛恨の失敗談だったことで、周囲からも笑いが起きた。
ここで羽生九段が「失敗談ではないけれど」と前置きして紹介したのは、年号では2つ前になる昭和時代の対局風景。羽生九段は1985年、つまり昭和60年に史上3人目の中学生棋士としてプロデビューを果たしたが「基本、午前中は雑談の時間なんです。(午前)10時から12時は指しているし、私は新人だから話さないんですけど、大先輩はひたすら近況を語り合っていました。午後、お昼ごはんを食べてから(対局が)始まるって感じでした」と懐かしんだ。
棋士の対局はタイトル戦を除く多くが午前10時から始まる。現在では、研究された戦型であれば、正午からの昼食休憩までに数十手進むことも珍しくない。対局者同士が会話することすらめったにないだけに、なかなか想像もつかない状況だ。「すごくのんびりしていたような記憶はあります。だいぶ変わりましたね。棋士はしゃべらないし、観戦記者も話しかけるのがはばかられる雰囲気ですよね。そこはちょっと変わったところかなと思います」と振り返った。
今では対局者が会話する、視線を合わせるのは終局後、感想戦の時ぐらいなもの。羽生九段が対局開始早々に、対戦相手と近況報告で2時間雑談することがあるとすれば、それもまたファンにとっては見てみたいものだ。
(ABEMA/将棋チャンネルより)
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