その強さと人柄が、日本将棋連盟の専務理事に選ばれた理由かもしれない。6月27日に放送されたプロ将棋界初の超早指し団体戦「第3回AbemaTVトーナメント」で、解説を務めていた橋本崇載八段(37)が、先輩棋士・鈴木大介九段(45)に対して「早くて強くてきっぷがいい。みんなが鈴木将棋に憧れていた」と、奨励会時代の思い出を振り返った。
鈴木九段は1994年10月に四段昇段。2度のタイトル挑戦のほか、早見え早指しの振り飛車党として、2度の早指し棋戦優勝を果たした実績もある。2017年5月からは日本将棋連盟の常務理事にも就任し、将棋界を盛り上げるべく日々、奔走している。
2001年4月に四段昇段した橋本八段の奨励会時代となれば、鈴木九段も20代。若手有望株としてバリバリの売り出し中といった時期だ。「私が奨励会で鈴木さんが若手の棋士のころ、10秒将棋の鬼でしたね。冗談とか言いながら、バンバン指していて。瞬時に手が見える。早い、強い、きっぷがいい。みんなが鈴木将棋に憧れていた」と回想した。
最近では麻雀のプロ・アマ最大級の大会「麻雀最強戦」で優勝、最強位になるなど、思わぬ形でも話題になった鈴木九段。広瀬章人八段(33)との“麻雀好き”対決は2連敗で終わったが、気合の入った指し手、追い込まれた終盤でも瞬時に手を見つける実力はさすが。「ずいぶん鍛えてもらいました」と語っていた橋本八段も、思わず「ひええええ」と声をあげ「(窮地でも)手が見えること自体がすごい。鈴木九段がいろいろひねり出して、わけのわからない手がいっぱい出てきた」と、楽しみにしていた先輩棋士の戦いぶりに満足した様子だった。
◆第3回AbemaTVトーナメント
持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行い、1回の対戦は三番勝負。3人1組の12チームが、3チームずつ4つのリーグに分かれて総当たり戦を実施。1対局につき1勝を1ポイント、1敗を-1ポイントとし、トータルポイントの多い上位2チーム、計8チームが決勝トーナメントに進出する。優勝賞金1000万円。
◆出場チーム&リーダー
豊島将之竜王・名人、渡辺明三冠、永瀬拓矢二冠、木村一基王位、佐藤康光九段、三浦弘行九段、久保利明九段、佐藤天彦九段、広瀬章人八段、糸谷哲郎八段、稲葉陽八段、Abemaドリームチーム(羽生善治九段)
(ABEMA/将棋チャンネル)