Go To キャンペーンやマスク8000万枚配布などの施策が批判を浴びる中、安倍総理が1カ月以上にわたって記者会見を開いていないことが話題となっている。官邸でのいわゆる「声かけ取材」や「ぶら下がり取材」には応じているが、記者会見形式で国民に説明をしたのは、6月18日が最後だ。
・【映像】“総理に最も近い”石橋氏「専門家の意見が違うから、決めあぐねていると思う」
“総理に最も近いジャーナリスト”との異名を取る石橋文登・元産経新聞政治部長は「今の状態が続く限り、確かに支持率も景気も落ちる。だから何か発信したいとは思っているが、専門家が言っていることがバラバラで、もっとPCR検査をやって、緊急事態宣言を出せという人もいれば、すでに集団免疫があるから、自粛をやめて普通に生活したほうがいいという人もいる。確かに感染者数も増えてはいるが、検査数自体が増えているし、重症者・死者数の出方も4月ごろとは違うので、パンデミックが起きるのかどうかも分からない。ホテルへの隔離などについても、それぞれの自治体で柔軟に対応する時期に来ていると思う。そういう意味で、判断をしあぐねているのだと思う」と話す。
「大企業が巨額の赤字を出したり、店舗を閉めたりといった話も出てきているので、むしろ少しずつ緩和して経済を回していかなければ、もっと大変なことになると思っているだろう。東京の大学に入学するために上京した僕の甥も、まだ一度もキャンパスに行っていない。一方、小中学校は学校での授業を再開している。そういうチグハグな状況もあるし、“気を付けながら経済活動を再開させよう”とやるべきだと思うし、安倍さん本人もそう言いたいのではないか。ただ、総理が会見を開くのは、何か大きな判断をした時であって、“まだ決められない”ということで開くことは基本的にない。それは批判を恐れているというよりも、安倍さんが何かを言うことによって、無意味に批判されることもあるからだ。だから次に開くときは、緊急事態宣言を再び出すときか、経済優先でやると宣言するときかのどちらかではないか。そのことを、この1週間を目途に見ようとしているのではないか」。
一方、現時点での最後の会見(先月18日)では、「自民党の総裁として総裁任期の間に憲法改正を成し遂げていきたい」「国民の信を問うべき時が来れば、躊躇なく解散する」との考えを示してもいる。
石橋氏は「解散のシナリオは当然ある。ただ、コロナ対策と経済対策ができなければ解散できるモードにはならない。支持率が上昇局面か下降局面によっても違う。例えば3年前に解散したときは、小池都知事が希望の党を作り、自民党にとっては厳しい状況になったと言われながらも大勝ちした。あの時は内閣改造後の上昇局面にあった。逆に去年の参院選のように、支持率は高くても、平行、あるいは下降局面にやってしまうと、全然勝てないということになる。やはり上昇機運のカーブを微分してプラスという部分を掴めば動けるが、それがないので手の打ちようがないというのが本音だろう」と推測。
消費税引き下げを理由にする解散の可能性についても「ないだろう。今まで消費税率を上げて沈没していない政権は安倍政権だけだ。経済学の理論通り、景気の指標がこうなったらこう上げましょうと言うのは簡単だが、実際そうは動かない。今回の一律給付10万円もそうだが、むしろ消費税率10%を守ってやるから補正でもっと金を積めと言わなければ、財務省も絶対に“うん”とは言わなかったと思う。税というのは内政の根幹だ。再び上げられるだけの力のある総理が出てくるかと言えば、それは厳しい」。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)
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