今やプロの将棋界において、将棋ソフト(AI)を用いた研究は切り離せないものになりつつある。見たこともないような戦法が生まれることもあれば、逆に古くなったとされた戦法が再評価されることも珍しくなくなった。「トップ12」の棋士による早指し棋戦「将棋日本シリーズ JTプロ公式戦」に今年も出場した広瀬章人八段(33)も、棋士と将棋ソフトの関係について、深く考える一人だ。「指しているのは人間なんです。人間に向いている、向いていないということは重要なのかなと思います」と、単にソフトの推奨手をなぞるだけが研究ではないという。