天才、神童、神の子。若くして一流のプロと同等以上の実力を持つ若者はしばしばそう表現される。
今年8月、史上最年少で八段昇段&二冠達成した藤井聡太がプロ棋士になったのは2016年。14歳2カ月という記録も史上最年少だ。その後、公式戦29連勝という歴代最多記録を樹立し、今年7月には史上最年少でタイトルを獲得という、まさに天才、神童、神の子と言われる存在である。
フットサルの世界でも、日本フットサル界の藤井聡太と評される選手が注目を集めている。バルドラール浦安の柴山圭吾だ。
5日、ABEMAで生中継されたフットサル最高峰のリーグ戦「Fリーグ」の開幕節でデビューを飾り、15歳7カ月という若さでFリーグ最年少出場記録を7年ぶりに塗り替えたのだ。
柴山は今年の3月までは中学生だった15歳のピヴォ(サッカーでいうFWのような前線で戦う選手)が、日本代表はもちろん、文字通り「日本最高峰」の舞台に立ったのだ。顔はまだあどけなく幼く見えるが、身長179cm、体重70kgという体格は、スタンドやABEMAの画面越しから見てもトップ選手と遜色ない。
「ボール背負うスキル、反転するスキルに関しては非常に高いものを持っている」
事実、元フットサル日本代表として3回のW杯出場経験をもつ現チームの小宮山友祐監督も彼のフィジカルや技術の高さを評価する。それを裏付けるように、練習から主軸メンバーに組み込んできたという。
さらにこうも言う。
「彼が15歳なのが信じられないくらいの選手ですよ。彼は浦安の宝であると同時に、これからきっと、日本フットサル界の宝になると思う」
小宮山監督は、あの三浦知良がフットサル日本代表のユニフォームを着てW杯を戦った2012年の日本代表キャプテンである。トップ・オブ・トップを知る人物がそこまでいうほどの逸材なのだ。
「今シーズンからプリメーロ(トップチーム)の一員として活動できることに感謝するとともに、今の現状で満足せず、結果で示せるように今まで以上に努力を重ねていきます」
シーズン開幕2日前にクラブからリリースされたトップチーム登録のリリースでそうコメントした柴山。将棋界の藤井聡太二冠のように、これから彼は、どんな活躍を見せていくのだろうか。クラブ史上初のリーグタイトルを、彼の力で呼び込むことができるだろうか。
もちろん、今シーズンだけでなく、10年後、20年後と、業界を引っ張っていくことが期待されている。柴山圭吾、その将来が非常に楽しみな選手だ。
文・舞野隼大(SAL編集部)