9月18日に配信されたONE Championshipの大会「ONE: A NEW BREED III」で、驚きのワンパン決着。文字どおりの瞬殺劇に視聴者からは「見てなかった…」「史上最速?」などのコメントが殺到した。
カピタン・ペッティンディーアカデミー(タイ)とペッタノン・ペットファーガス(タイ)のキックボクシングルールによる対戦でそれは起こった。
カピタンはタイのルンピニー王者などムエタイで3度の世界王者に輝いており、モヒカンがトレードマーク。対するペッタノンも中国のメジャー格闘技イベント「武林風」に参戦するなど実績のある選手だ。
そんな両者が衝撃のKOシーンまで交わした動作は一見するとわずか2つ。レフェリーのゴングとともに両手グローブを合わせ、程よく距離を取った。と次の瞬間、カピタンが軽く左をフェイントで見せ右を撃ち抜くとペッタノンがリングに大の字になり崩れ落ちた。
しかしスローで振り返ると、ダウンまでのわずかな時間に行われた幾つもの動作に驚かされる。カピタンは左グローブで一度ペッタノンの右グローブを下に払いのけ、スペースを作ってから左でフェイントぎみに相手の顔を触ってから、ガラ空きのアゴ目掛けて渾身の右ストレート一閃。ペッタノンは、ダウンの衝撃でリングに後頭部を強打している。
正式な試合時間は6秒だったが、ABEMAで実況を務めた清野茂樹アナは「2秒くらいでしたよね…」と興奮ぎみにその瞬間を振り返っていた。それほど、体感的には“ほんの一瞬”の出来事だった。
一方、解説を務めた大沢ケンジも「立ち技(格闘技)でこんなに早いのははじめてみましたね」とコメント。MMAの世界では過去に昇侍が、パンクラスで飛びヒザで3秒の最速記録を樹立しているが、立ち技系での秒殺KOは珍しい。記憶に新しいところでは、昨年UFCでホルヘ・マスビダルが同じく出会い頭のヒザでベン・アスクレンを5秒で瞬殺した。「6秒KO」は、それに次ぐ記録となる。
当然ながら視聴者もこの衝撃KOに騒然。「ええ?」「見過ごした…」「ワンツーで終わった」「見てなかったわ」「これ史上最速じゃない?」など、驚きのコメントが殺到した。
頭を強打したペッタノンがその後、何事もなかったかのように立ち上がったのは不幸中の幸い。カピタンの勝利を讃えたものの、貰い事故のような敗戦にただただ苦笑いを浮かべるだけだった。