最後は伝家の宝刀「配牌オリ」でゲームを締めた。プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2020」11月16日の第2試合で渋谷ABEMAS・多井隆晴(RMU)が今期2勝目を獲得した。
【動画】多井隆晴、全力のドヤ顔シーン(3時間24分30秒ごろ~)
この試合の対局者は多井、セガサミーフェニックス・魚谷侑未(連盟)、EX風林火山・勝又健志(連盟)、KONAMI麻雀格闘倶楽部・藤崎智(連盟)の並びでスタート。
多井は南場の親を迎えて微差のトップ目。大きく勝負に出たいところで手牌は赤とドラ二万のある好材料。わずか2巡目で孤立のドラを河にリリース。いわゆる「メンタンピン」に赤で満貫以上を狙う手組に構えた。7巡目にリーチをかけると、15巡目にツモアガリ。リーチ・ツモ・タンヤオ・平和・赤・裏ドラの1万2000点のアガリとなり、一人浮きの大きなリードとなった。
こうなると誰も点棒を奪えない、鉄壁を誇るのが多井の強みの一つ。ほぼリスクを取ることなく、ライバル3者の2着争いを横目に最終局へ。最後は「これでタイトルをいくつも取ってきた」と自身が語る「配牌オリ」の戦略を取る。多井の配牌は決してアガリに向かうには苦しいというほどではなかったが、下家の魚谷と勝又が競り合いのポイント状況。これを受けて、魚谷へのアシスト効果も期待しながらの多井らしい選択に出た。これが奏功し、この局は最後まで重たい展開となった。多井がオリて、魚谷も役牌の白を仕掛けず、これによって勝又も、親の藤崎も手を進めることができない。結局、この局は誰もテンパイできずに、多井のゲームメイクに支配されたまま、対局終了となった。
インタビューでは第1試合の松本吉弘(協会)に続く勝利に「嬉しい」と満面の笑みで一言。この日まで個人成績がマイナスだったこともあり、やきもきさせたファンへは「待たせたね」と“ドヤ顔”で勝利の報告をしてみせた。また、この対局に臨むに際して、「僕のラスでチームがマイナスに転じてしまったので、どっかで何かを見せるよって言っていて、もし今日負けてラスになるようなら、滝に打たれるとか、甘いものを控えるとか、何か一つ自分に制限を設けようと思っていたので、今日は絶対勝つぞと…。」と、決意があったことを明かした。
全21局に渡るロングゲームだった第1試合から一転、わずか9局という短期戦だったこの第2試合、多井は「完璧」と自画自賛し、対局内容の思考についてもスラスラと語ったことがほぼ読み通りとなっていた。これにファンは「やっぱ強ええわ」「読めてるやん」「思考が1個上いってんな」と、改めて現役最強と評される多井に感嘆の声を上げていた。
【第2試合結果】
1着 渋谷ABEMAS・多井隆晴(RMU)4万900点/+60.9
2着 KONAMI麻雀格闘倶楽部・藤崎智(連盟)2万5300点/+5.3
3着 セガサミーフェニックス・魚谷侑未(連盟)1万8300点/▲21.7
4着 EX風林火山・勝又健志(連盟)1万5500点/▲44.5
【11月16日終了時点での成績】
1位 赤坂ドリブンズ +355.1(24/90)
2位 EX風林火山 +354.9(26/90)
3位 渋谷ABEMAS +75.4(26/90)
4位 KONAMI麻雀格闘倶楽部 ▲65.6(26/90)
5位 U-NEXT Pirates ▲77.6(24/90)
6位 KADOKAWAサクラナイツ ▲177.8(24/90)
7位 TEAM雷電 ▲197.7(24/90)
8位 セガサミーフェニックス ▲266.7(26/90)
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)
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