大鵬の孫、納谷が十両昇進確実に 新四股名に「鵬」の一字入るか注目
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 先場所はあと一歩、関取昇進に及ばなかった納谷が、西幕下筆頭に据え置かれた今場所はこれまでのうっ憤を晴らすような力強い相撲を取り切っている。3戦全勝で迎えた元幕内北はり磨との一番は左右ののど輪を炸裂させて圧倒。ストレートで勝ち越しを決めると続く狼雅戦は敗れたものの6番目の相撲は十両の土俵で貴源治を終始、優勢に攻めて寄り倒し。5勝目を挙げて来場所の新十両は確実な情勢となった。

【動画】十両昇進を確実にした納谷の一番(5時間38分ごろ~)

 祖父は昭和の大横綱大鵬、父は優勝経験もある元関脇貴闘力であり、現幕内の琴ノ若に続く、史上2組目の父子3代関取が実現することになる。自身は4人兄弟の三男で弟は幕下の夢道鵬、次男は中央大から今年三月場所、初土俵を踏み、今場所は三段目の鵬山。互いに切磋琢磨しながら3兄弟同時関取を目指している。

 物心ついたときにはすでに廻しを締めていた。力士になるのは宿命だったのかもしれない。強豪の埼玉栄高を経て2018年一月場所で入門した納谷は序ノ口、序二段、三段目の各段を1場所で通過して幕下に昇進したが、その後は何度となく上位に壁に跳ね返されてきた。その間に同学年の琴勝峰、豊昇龍は幕内へ。新十両を決定的にした当日、同じ埼玉栄高のチームメートだった琴勝峰は奇しくも結びの一番の土俵に立っていた。ライバルとは大きく水を開けられてしまったが、幕下上位で揉まれて悔しい思いも味わった分、着実に地力も備わってきた。今の相撲ぶりを見る限り、十両通過は案外、あっという間かもしれない。

 偉大な祖父は幕下までは本名の納谷で通し、関取昇進とともに「大鵬」を名乗ることになった。孫の納谷も新十両を機に改名の意向だが、そこには納谷家ゆかりの「鵬」の字が入るとも言われている。昇進の正式決定は場所後の水曜日。その日にお披露目となる新四股名を今からあれこれ予想するのも相撲ファンにとっては一興だ。

十両昇進を確実にした納谷
十両昇進を確実にした納谷