将棋の早指し棋戦・将棋日本シリーズ JTプロ公式戦の決勝が11月22日に行われ、豊島将之竜王(叡王、30)が永瀬拓矢王座(28)に135手で勝利、自身2度目の優勝を果たした。竜王、叡王と2つのタイトルを保持し、将棋界の序列2位で奮闘する実力者が、将棋界のトップ12が集まる同棋戦を制し、さらに存在感を強めた。
豊島竜王と永瀬王座といえば今年、叡王戦七番勝負で千日手1局、持将棋2局で都合10局(記録上は9局)指すなど、大熱戦を演じてきた。予選はなく前年覇者、タイトルホルダー、賞金ランキング上位者の12人が選ばれる大会において、2020年に活躍した両者が実力・実績どおりに決勝進出を果たす形になっていた。
先手の豊島竜王が居飛車なのに対し、元振り飛車党である永瀬王座は、ここ一番で四間飛車を採用。居飛車穴熊と四間飛車という対抗形からスタートした。駒組みを終えて中盤戦に入ったところ、リードを奪ったのは豊島竜王。穴熊の硬さを活かして永瀬王座の二枚竜に思うような働きをさせない展開を築くと、逆に2枚の馬を有効に活用して確実な寄せ。抜群の緩急による会心譜で2度目の頂点に立った。
対局後、豊島竜王は「序中盤すごく難しくて中盤は自信がない局面もありました」と振り返ると、「この活躍されている3名の棋士(渡辺明名人、藤井聡太二冠、永瀬王座)に勝てて非常に自信になりました。これからまた頑張っていきたいと思います」とコメントした。
(ABEMA/将棋チャンネルより)