将棋の順位戦A級5回戦が11月23日に行われ、羽生善治九段(50)が佐藤康光九段(51)に147手で勝利、残留に向けて大きな2勝目(3敗)を挙げた。歴代4位、通算164局目となる両者の戦いは、最終盤で形勢が大きく動く熱戦に。追い詰められた羽生九段が、一瞬の隙を突いて逆転し、貴重な白星を手にした。佐藤九段は3勝2敗となった。
敗れれば10人中9位となり、下位2人の降級圏内に落ちるピンチだった羽生九段だが、佐藤九段が角交換型振り飛車を採用したのに対し、対抗形から確実な指し手で中盤までややリードを奪っていた。ところが中盤から終盤にかけたところで逆転を許し、一時は敗勢と見られるところまで追い詰められていた。
ドラマが待っていたのは日付も変わる深夜に入ってから。佐藤九段の指した一手を境に逆転のきっかけを見つけると、そこから正着を続け一気に勝勢に。勝ちを確信した際に見られる震えも出ると、最後は即詰みに討ち取った。
羽生九段は初のA級入りから降級することなく、現在は28期連続でA級以上(名人9期)を継続中。レジェンドがB級1組に降級危機となれば将棋界の一大事と言われる中、暫定順位を7位に。残り4局を2勝2敗、トータル4勝5敗でも十分に残留が見込める状況まで持ち直した。竜王戦七番勝負では、タイトル100期をかけて豊島将之竜王(叡王、30)に挑戦しているが、順位戦での正念場はこれからもまだ続いていく。
(ABEMA/将棋チャンネルより)