将棋の藤井聡太二冠(18)が、早指し棋戦・銀河戦の決勝で糸谷哲郎八段(32)に勝利、同棋戦で最年少の18歳2カ月26日で初優勝を果たした。従来の記録は渡辺明名人(棋王、王将、36)が2005年に記録した21歳4カ月16日。この記録を約3年上回り、最年少でのタイトル獲得・二冠を達成した2020年の年納めに、新たな記録を打ち立てた。
銀河戦は、持ち時間各15分・切れたら1手30秒未満、考慮時間各10分という早指し棋戦。1992年度から始まり、2000年度から公式戦となったが、歴代優勝者は7回の羽生善治九段(50)、5回の渡辺名人、3回の佐藤康光九段(51)など錚々たる顔触れだ。
本戦トーナメントから出場した藤井二冠は、Cブロックで羽生九段を含み6連勝で決勝トーナメントに進出。増田康宏六段(23)、永瀬拓矢王座(28)、木村一基九段(47)といった実力者を下すと、決勝では早指し・早見えが特徴でもある糸谷八段に勝利して優勝(対局日は10月15日)。これで棋戦優勝は、4回目となった。
2016年10月の四段昇段からプロ生活4年が経過した藤井二冠だが、2020年はまさに記録ラッシュの1年に。7月に棋聖戦で最年少タイトルを獲得すると、8月には王位も獲得して最年少二冠・八段昇段を達成。デビュー以来、29連勝を記録した当時の「藤井フィーバー」再来を感じさせる活躍ぶりで、棋聖戦五番勝負の最中に見せた一手が「AI超え」として新語・流行語大賞にノミネートもされた。
今年も残りわずかになってきたが、2021年もさらなる活躍が期待される、価値ある初優勝となった。
(写真提供:日本将棋連盟)