国内最大級のプロアマ参加の麻雀大会「麻雀最強戦2020」のファイナル2nd Stageが12月13日に行われ、プロ麻雀リーグ「Mリーグ」渋谷ABEMASでも活躍する多井隆晴(RMU)が初優勝を果たした。これまでも多数のタイトルを獲得し「最速最強」の異名を持つトッププレイヤーが、その年の顔とも言われる最強位の座をついに勝ち取った。
指先に感じた2筒に勝利を確信した。トップ目で迎えた決勝卓のオーラス、南4局1本場。最終盤、14巡目で迎えたテンパイもパーフェクトな選択で、優勝への道を開いた。目に見えて6枚が消えている2・5筒待ち、2枚が見えている4筒・8筒のシャンポン待ち。息を潜めて2・5筒待ちに構えると、歓喜の瞬間な次巡にやってきた。ツモ・タンヤオ・一盃口のアガリは、ファイナル4度目にしてついに悲願を達成するもの。歓喜の笑顔ではなく、成し遂げた達成感と重圧からの開放が顔ににじみ出た。
一度敗れたところから勝ち上がった優勝だった。9月に行われたMリーガー8人が集まった予選大会では、EX風林火山で活躍する二階堂亜樹(連盟)に敗れた。ただ敗者復活のラストチャンスというべき12月の「ザ・リベンジ」で見事優勝を果たすと、今年から2日制に変更となったファイナルでも、二階堂にリベンジを果たすなど圧巻の強さを発揮。決勝ではオーラス前の南3局2本場で逆転。勝負強さを見せると、最後も自らアガって決着をつけた。
プロ麻雀界では知らない者はいないというトッププレイヤー多井だが、歴史ある最強戦への思いも人一倍だ。過去にはあと一歩で優勝という場面もあったが「正直、準備不足もあった」と、頂点に立つための努力が足りなかったと反省すると「今回はさすがにラストチャンスと言い聞かせていました」と、前日に行われたファイナル1st Stageの対局も2度見直すなど、念入りに準備。麻雀で勝つことにおいて、誰よりもこだわり続けた男の妥協なき努力に、ようやく勝利の女神が微笑んだ。
優勝の感想を聞かれた多井は「ずっと勉強してきてよかったかなと。やっと報われたと思います。たかが半荘1回だけど、そこで力を出せないとプロじゃない。このタイトルを取らないと恥ずかしいという思いはずっとありました。最強位にふさわしい人間にならなきゃなという思いが強いです」と、トッププロとしての責務、最強位としての責務を自ら口にした。バラエティ番組やYouTubeなど、活動の幅を広げている多井。ただ、どこまで範囲を大きくしても、絶対に譲れないのは「最速最強」である自分だ。
【決勝結果】
1位 多井隆晴
2位 新井啓文
3位 井上絵美子
4位 本田朋広
(ABEMA/麻雀チャンネルより)