国連開発計画(UNDP)が平均余命、就学状況、人間らしい生活などを元に算出した「HDI=人間開発指数」によって189の国と地域をランク付けしたものを公表した。それによると、「国民生活が最も豊かな国」となったのはノルウェーで、2位アイルランドと、4位アイスランド、7位スウェーデンと、北欧諸国が上位に食い込んでいる。
気になる日本は去年から一つ上昇し19位で、アイスランドと並んで4位の香港よりも低い順位に甘んじている。
「幸福学」を研究する中曽根平和研究所主任研究員の高橋義明氏は「確かに日本は長寿国ではあるが、男性の平均寿命は北欧よりも低いし、健康寿命との間に差があることも問題として指摘されている。また、一人あたりの所得はアメリカの方が上だし、教育環境についてもアメリカは大学院に行く方が多く、修士号や博士号を取ることも評価されている」と指摘。「日本の19位は妥当だ」と話す。
一方、『ABEMA Prime』の出演者たちに、豊かさがあると感じられるのはどういう時か尋ねてみると、「選択肢がある時」(作家の乙武洋匡氏)、「誇りを持ち、あえて損したり、リスクを取ることができる時」(クリエイティブディレクターの三浦崇宏氏)、「(予定や悩みなどが)無い時」(ライターのヨッピー氏)など、金銭的な充実よりも、精神的な余裕や自由を重んじる回答が返ってきた。
ヨッピー氏は「“ランボルギーニ、どや”みたいな時代じゃなくなってきていて、何もない大草原の方が贅沢だよね、という感覚、余白みたいなものがあったほうがいいという感覚になってきていると思う」と話す。
3月に国連が発表した「世界幸福度ランキング」では、日本は前出のランキングよりもさらに低い62位(しかも過去最低)だ。健康寿命は3位である一方、自由度では73位、寛容さでは151位だ。
これについて高橋氏は「あなたは幸せですか?と尋ねた結果の平均点に基づいたランキングだ。“寛容さ”に関していえば、寄付をしているかどうかで測っているため、そこは日本の弱さが出ていると考えられる。また、“自由度”に関しては“選択の自由”を聞いているので、そこに困難さがあると感じている人たちもいるということだと思う」と分析。「また、世代による違いもあって、例えば私の身近なところでは全国一斉休業について“本当に楽しかった。こんないい時間というのはなかったんじゃないか”とポジティブに捉える方たちいる一方、中高生の自殺者が出ているという問題もある。そういうところは考えていく必要があるのではないか」と話していた。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)
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