「生きている時空が違う」藤井聡太二冠、秒読みでもミスしない精度に先輩棋士も脱帽「我々の1分とは違うのかも」
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 数時間ずつの持ち時間で戦い、1局が半日がかりになることも多い将棋世界。ただ、決着がつくクライマックスともなれば、持ち時間を使い切り、1手60秒未満で指さなければいけない「1分将棋」に突入することが多い。数時間かけて作り上げた戦いも、この1分内の決断を誤れば全て台無し、勝勢から大逆転負けというのも珍しくない。そんな痺れるような局面でも、めったにミスをしないのが天才棋士・藤井聡太二冠(18)。12月16日に行われた順位戦B級2組の対局では無傷の7連勝を飾ったが、その戦いぶりに先輩棋士からは「生きている時空が違う」「我々の1分とは違うのかも」という声も出ている。

【動画】藤井聡太二冠の「時間感覚」に驚く棋士

 藤井二冠の時間感覚に舌を巻いたのは、関西のイケメン棋士として知られる都成竜馬六段(30)。2020年度の成績(公表分)は藤井二冠が34勝8敗、勝率.8095と圧巻だが、都成六段も20勝6敗、勝率.7692と大活躍している。それでも先輩棋士から見れば天才棋士の能力はとてつもないのだという。16日の対局で解説していた際、聞き手の武富礼衣女流初段(21)にも、そのすごさを次々と説明した。

「生きている時空が違う」藤井聡太二冠、秒読みでもミスしない精度に先輩棋士も脱帽「我々の1分とは違うのかも」
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 都成六段 藤井二冠は終盤で長考されることがある。あまり時間を残すという意識はないんですよ。秒読みになっても間違えないので。

 武富女流初段 その自信があるってすごいですよね。終盤で間違えない自信が欲しいですよね。

 都成六段 秒読みになったら、間違えてしかいないんですよ、こっちは(苦笑)3手連続で悪手とか指したりして、(AIの)グラフとかズン、ズン、ズンと下がって行きますからね。

 武富女流初段 人間、そうですよね。逆に限られた時間で最善手を指せるってなんなんですかね。

 都成六段 なんなんでしょうね。違う時空で生きているんですかね。1分が違うんですかね。藤井二冠の1分と、我々の1分が違うのかもしれません。

 たかが1分、されど1分。将棋の世界において、この1分でどれだけの情報を処理し、最善手にたどり着けるかで、棋士としての能力や成績が大きく左右される。研究によって注文通りの進行をたどれば、時間に追われることもないだろうが、力戦ともなれば頼れるのは地力のみ。双方、詰むや詰まざるやの局面で、この1分をフルに活かせる棋士はやはり上へ上へと登っていく。都成六段が思わず「我々の1分とは違うのかも」と漏らすほど、藤井二冠の終盤力はやはりすさまじいのだ。

 都成六段、武富女流初段のやりとりを聞いていた視聴者からは「藤井君は人生2周目だから」「だから超人なんや」「藤井二冠は同じ1分でも他の人より大量に読めるからなあ」などといった言葉も寄せられていた。年内の公式戦は全て終えた藤井二冠だが、2021年は果たしてどんな終盤での実力を見せてくれるだろうか。

藤井聡太二冠の1分は人と違う?
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