鳴いても高い、それがTEAM雷電・黒沢咲（連盟）の流儀。プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2020」1月15日の第2試合で黒沢が効果的な仕掛けを決め、満貫2発で今期6勝目を獲得した。これでチームは3連勝で3位浮上、上位を窺える好位置に付けた。
この試合の対局者は渋谷ABEMAS・松本吉弘（協会）、黒沢、セガサミーフェニックス・魚谷侑未（連盟）、KADOKAWAサクラナイツ・内川幸太郎（連盟）の並びでスタート。黒沢は東4局1本場、ドラの8筒をポンしてイーシャンテン、さらにピンズを引き入れてテンパイすると、これをツモってタンヤオ・赤・ドラ3の8000点（＋300点）を獲得。
その後、各者にアガリは出るが満貫以上の決定打には欠け、オーラスを迎えて全員がトップを狙える僅差に。ラス目の松本がアガればトップまで突き抜ける大物手狙いのフリテンリーチをかけ、親の内川、魚谷も仕掛けてアガリを目指す。これまでの黒沢はこういった場面でもメンゼンで手を育て、リーチでぶつけるのがスタイルだったが、この日は速度を合わせる目的もあり2度目の喰いタンへ。リーチの松本が切った6筒を見て小考の末、チーの声をかけた。試合後に黒沢は「あれだけ接戦だと、とにかく間違えたくなくて。手牌に集中して、難しいことを考えずに打ちました」と、体が反応した結果の仕掛けであることを明かしていた。
黒沢はこれでテンパイを果たすと、3者の反撃をかいくぐり、松本のハイテイ牌である三万でロン。タンヤオ・ホウテイ・赤・ドラ2の8000点をアガって今期6勝目とした。副露率がリーグで最も低い黒沢が、珍しくこの日は喰いタンのアガリだけを決めて快勝。本来、ポンやチーをすれば打点は下がるが、黒沢の場合はこの日の2度のアガリどちらも満貫と抜群の打点力を見せた。これこそまさにセレブ流の真骨頂とも呼べる強さで、この勝利にファンも「黒沢強すぎんだろ」「最強伝説 黒沢」「セレブトップ、雷電祭りじゃあ！！」と賑わった。
インタビューでは2回のアガリが仕掛けてのものであると伝えられると「回って回ってあの形になったんで、仕掛けていきました」と、仕掛けに至るまでの過程も副露判断に大きく影響すると語り、自分らしい麻雀を目指した結果、高打点の喰いタンが決まった過程が明かされた。
黒沢の仕掛けはリーチをかけた時と同等かそれ以上に待ちがわかりにくく、どんな時も軽視はできない。対局前後の優しい笑顔とは裏腹に、鳴いても高い超高打点の選手として、恐ろしいイメージを改めてライバルに植え付けた。特に松本は過去7戦すべてにおいて着順が黒沢の下となっており、天敵としている。
最後はファンに向けて「接戦で、苦手な展開でしたが、皆さんの応援のおかげでトップになれました」と感謝を伝えて上品に一礼。試合中の険しい表情とはかけ離れた、癒しの笑顔を振り巻く黒沢へ、「上品だなあ」「面白すぎたよ」「やっぱりセレブの麻雀面白い！」と賛辞が降り注いでいた。
【第2試合結果】
1着 TEAM雷電・黒沢咲（連盟）3万5900点／＋55.9
2着 KADOKAWAサクラナイツ・内川幸太郎（連盟）2万8600点／＋8.6
3着 セガサミーフェニックス・魚谷侑未（連盟） 2万6200点／▲13.8
4着 渋谷ABEMAS・松本吉弘（協会）9300点／▲50.7
【1月15日終了時点での成績】
1位 渋谷ABEMAS ＋394.2（58/90）
2位 EX風林火山 ＋308.9（58/90）
3位 TEAM雷電 ＋93.2（58/90）
4位 KONAMI麻雀格闘倶楽部 ▲16.4（58/90）
5位 赤坂ドリブンズ ▲88.4（58/90）
6位 KADOKAWAサクラナイツ ▲90.9（58/90）
7位 セガサミーフェニックス ▲252.3（58/90）
8位 U-NEXT Pirates ▲348.3（58/90）
※連盟＝日本プロ麻雀連盟、最高位戦＝最高位戦日本プロ麻雀協会、協会＝日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ（各16試合）、さらに上位4位がファイナルシリーズ（12試合）に進出し、優勝を争う。
（ABEMA／麻雀チャンネルより）
