いつもは冷静沈着、そして百戦錬磨のベテラン雀士も脳裏に悔いがよぎったか、思わず天を見上げた。プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2020」1月22日、南3局で親のKONAMI麻雀格闘倶楽部・藤崎智(連盟)がリーチ。六・九万待ちで九万ならば三色同順となり親満貫以上が狙える大チャンス。ペン7筒を引き入れて、絶好の両面待ちでリーチをかけたが、これがツモれず流局となった。
リーチをかけた時点では、解説を務めていた土田浩翔(最高位戦)も「文句なしですね、ツモりますね。親が来るまでの1局1局の消化の仕方が良かった。地ならしは済んでいる」と説明したほどの絶好のテンパイ。しかしそれでも、麻雀は枚数だけでは決まらない側面もある。リーチ時に山に6枚も残っていた藤崎の待ち牌は方々へ散らばっていく。
流局が近づくにつれて藤崎の手にも力が入り、最終盤になってもツモれない際には天を見上げ、口をすぼめながら、深く息を吐く仕草もみせた。この中継を視聴していたファンからは「顔が忍べてない」「点に捧げるため息」「顔よw」「これ忍べないよねw」「忍者の顔ワロタ」「完璧だったのにな」とコメントが書き込まれた。
このシーンについて土田は試合後に藤崎へインタビューを行い、「藤崎さんが『僕はデジタル派じゃないんで、前の局で赤5筒をツモってアガっていたので、気持ちよくリーチしちゃいました。本来はヤミテンで1万2000点をこそっとアガるのがスタイルなのに、つい調子に乗りました』って言っていました」と、前局に起きたリーチ・ツモ・平和・赤の5200点のアガリに手応えを感じ、リーチをかけたと視聴者に報告した。
これには視聴者も「わろたw」「さすが忍者コメントがうまい」「あれは忍ぶと思ってたw」「人間だもの」「流れ麻雀派なんだなーw」「おちゃめ立直w」と爆笑していた。連盟の最高峰タイトルである鳳凰位や協会の日本オープンなど、これまでに多数のビッグタイトルを得ているトッププロの思わぬ告白は、その人間味も垣間見られたものとなった。アガリは逃したが、ファンからの株は上がった、かもしれない。
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)
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