インタビューに登場するなり見せた明るい笑顔が、この喜びの大きさを物語っていた。プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2020」1月29日の第1試合で、KONAMI麻雀格闘倶楽部・前原雄大(連盟)が12月10日以来となる今期4勝目を獲得した。
この試合の対局者は前原、TEAM雷電・瀬戸熊直樹(連盟)、赤坂ドリブンズ・鈴木たろう(最高位戦)、渋谷ABEMAS・日向藍子(最高位戦)の並びでスタート。今期は持ち前の打点力を活かした、破壊力満点の麻雀がやや足りない前原に、奮起を誘う配牌が東1局で訪れる。ドラの北が暗刻で、リーチをかければ親跳満も狙えるチャンス手だ。この手を前原は丁寧に進め、赤も引いて最後はリャンメンリーチ。これを鈴木からアガってリーチ・赤・ドラ3・裏ドラの1万8000点に仕上げた。
続く1本場も瀬戸熊から満貫をアガり、これでトップはほぼ固いリードを築く。しかし“地獄の門番”との異名を取る前原は手を緩めない。東3局1本場には3巡目に役なしドラなしのカン7筒をテンパイすると、これを即リーチ。鈴木からアガって1300点(+300点、供託1000点)で局を進める。試合後に前原はこのリーチを「あり合わせリーチ。たろうちゃんの親リーチはやっぱりおっかないですよ」と説明。リスク承知で強者の親番を蹴りにいった、その心中を明かしていた。また、この中継を解説していた渋川難波(協会)は「これが前原選手の強みですよね」とその豪胆ぶりに驚いていた。
その後も前原は終盤に3局連続のアガリを決めるなど、圧倒的な内容で今期4勝目を挙げた。インタビューでは「どこかで(好調の流れに)入っていかないといけないと思っていました。うちを応援してくださる方に対しても、少し形が取れたんじゃないかなと。ここでトップが取れるかどうかは大きかった」と語り、トップが12月10日以来とリポーターから聞かされると「そんなに経つんだ、長いなあ」とはにかんだ。
さらにファンへの感謝の言葉は続き、「(ポイントは)3ケタは欲しいですね。応援してくださる方がいるから我々は頑張っていられる。感謝しかありません、以上です!」とまた笑顔を見せ、ポーズを要求されると一歩前へ乗り出し、カメラからかなり近い距離で“ガラクタポーズ”をキリっと決めた。ベテラン前原の久しぶりの快勝、それもアガリ6回放銃0回というほぼ完勝劇は、セミファイナルへ向けてチームの大きな追い風になったはずだ。
【第1試合結果】
1着 KONAMI麻雀格闘倶楽部・前原雄大(連盟)5万6100点/+76.1
2着 TEAM雷電・瀬戸熊直樹(連盟)3万8600点/+18.6
3着 渋谷ABEMAS・日向藍子(最高位戦)1万2400点/▲27.6
4着 赤坂ドリブンズ・鈴木たろう(最高位戦)-7100点/▲67.1
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)
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