1人負けの状態からでも、終盤に粘って逆転できる。昨期より底力を蓄えて、サクラのプリンスが躍動だ。プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2020」2月8日の第2試合で、KADOKAWAサクラナイツ・内川幸太郎(連盟)が終盤に総マクリを決め、逆転で今期8勝目を獲得した。
この試合の対局者はセガサミーフェニックス・茅森早香(最高位戦)、TEAM雷電・萩原聖人(連盟)、内川、U-NEXT Pirates・朝倉康心(最高位戦)の並びでスタート。内川は東3局、茅森とのリーチのメクり合いに敗れ満貫放銃。その後も萩原へのリーチのみの放銃が、痛恨の裏ドラ3枚となるなど、南3局の親番を迎えてラス目となっていた。しかし今期の内川はこうなってからが粘り強い。まず満貫をツモって、一気に並びを平たくすると、1本場にはまたもやリーチ、一発でツモってリーチ・一発・ツモ・ドラの1万2000点(+300点)で大きなトップ目に立った。
このアガリに解説の多井隆晴(RMU)は「一発!突き抜けた!ちょっと早めのサクラが満開!」と大興奮、さらに「素晴らしい、攻守のバランスが取れていると思います」と続け、内川の戦いぶりを絶賛した。南4局も仕掛けて自ら終わらせる2000点のアガリ。内川はこれで今期8勝目、チームを2位に押し上げ、さらに個人成績でも2位まで浮上し、初のMVPも見えてきた。
インタビューでは会心の勝利に内川スマイルと思いきや、「内容が悪かった、反省しています」と神妙な面持ちを見せた。その理由として萩原への満貫放銃を挙げ、「(放銃した九万は)萩原さんの現物だと思っていた。八万を九万と見間違えていました」と告白した。解説の多井が「(萩原の切り順から)九万が当たるとは思わない、これはしょうがない放銃」と説明したこともあり、黙っていれば誰も気づかないボーンヘッド。正直者で、真摯に麻雀と向き合うサクラのエースの反省に、視聴者は「見間違い!?」「そういうこともあるよね」と驚きのコメントを投稿し、またこの内川の振る舞いに「好感度爆上げ!」と好感を持つ投稿もみられた。
このトップでチームは+92.5、セミファイナル進出を大きく引き寄せた。ただ内川は「すぐ変わるので、気を引き締めながら」とまだまだ慎重な姿勢。最後は「おかぴがトップを取ってくれて、後に続こうと思っていたので、いい結果が出て良かったです。応援してくれる皆さんのおかげです」と、第1試合の岡田紗佳(連盟)に続くトップを喜び、ファンへ感謝を伝えた。
内川が語るように、首位の渋谷ABEMASがほぼ当確としている以外、セミファイナル進出の争いは激化する一方だ。どのチームが次に「ほぼ当確」とまで呼べるランプを点灯させることができるか、まったく目が離せない。
【第2試合結果】
1着 KADOKAWAサクラナイツ・内川幸太郎(連盟)4万200点/+60.2
2着 セガサミーフェニックス・茅森早香(最高位戦)2万1600点/+1.6
3着 U-NEXT Pirates・朝倉康心(最高位戦)2万1100点/▲18.9
4着 TEAM雷電・萩原聖人(連盟)1万7100点/▲42.9
【2月8日終了時点での成績】
1位 渋谷ABEMAS +557.3(70/90)
2位 KADOKAWAサクラナイツ +92.5(72/90)
3位 EX風林火山 +31.6(70/90)
4位 TEAM雷電 ▲33.9(72/90)
5位 赤坂ドリブンズ ▲98.4(70/90)
6位 KONAMI麻雀格闘倶楽部 ▲119.2(70/90)
7位 セガサミーフェニックス ▲157.0(72/90)
8位 U-NEXT Pirates ▲272.9(72/90)
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)