今や将棋ファンならずとも、その名を広く知られる存在となった将棋の藤井聡太王位・棋聖。最年少でのプロ入り以来、毎年のように快挙を達成してニュースとなると、従来の将棋ファンだけでなく、新たなスターの誕生にこれまで将棋に興味がなかった人々まで、注目をするようになりました。それでも藤井聡太王位・棋聖の対局について中継や速報は、なかなかテレビでは見られないもの。どこでチェックをすればよいのでしょうか。
藤井聡太王位・棋聖が活躍するプロの将棋界は超エリート集団
2016年10月、14歳2カ月でプロ入りした藤井聡太王位・棋聖ですが、中学生でプロ入りしたのは、長い将棋界の歴史において、本人を含めてわずか5人だけ。過去の4人全てが名人になっており、国民栄誉賞にも選ばれたレジェンド・羽生善治九段もその一人です。小学生のころから各地で「天才少年」と呼ばれるような子どもたちが、幼いころから棋士を目指して研究、対局を繰り返しますが、毎年プロになれるのは原則4人だけ。アマチュアから見れば、プロになるだけでも非常に困難な、超エリート集団と言えます。
藤井聡太王位・棋聖のプロフィール
藤井聡太王位・棋聖は、2002年7月19日に愛知県瀬戸市で生まれました。将棋は5歳で始め、地元の将棋道場で勉強を始めます。もともとの才能に、負けず嫌いの性格もあってかめきめきと上達し、プロの養成機関である奨励会に入る小学4年生までの間には、数々の小学生大会でも活躍しました。名古屋大学教育学部附属高等学校を1月で中退、将棋の道に邁進することを明かしています。
奨励会入会時に弟子入りしたのは、同じ愛知県出身の杉本昌隆八段。プロ入り後は、公式戦で師弟対決もありました。藤井聡太王位・棋聖がタイトル戦に臨んだ際に、杉本昌隆八段から対局用の和服をプレゼントされたエピソードは、多くのメディアでも報じられました。ともにイベント出演することも多く、仲のいい師弟として知られています。
藤井聡太王位・棋聖の主な成績
デビューから快進撃を続ける藤井聡太王位・棋聖ですが、その成績・記録は目覚ましいものばかりです。天才棋士の名を大きく広めたのが、デビュー以来の29連勝。14歳の中学生が、いきなり将棋界の最多連勝記録を塗り替えてしまったことで、連日大々的に報じられました。また、その連勝が偶然でないことは、後の高勝率維持でも証明されます。実質的なデビュー年度となった2017年度から2019年度まで3年連続で勝率8割以上をキープ。残り少なくなった2020年度でも勝率8割以上は確実視されており、これもまた史上初の快挙となりそうです。そして2020年にはついに目標としていたタイトルを、最年少17歳11カ月で獲得。すぐに二冠も達成するなど、その勢いは留まるところを知りません。
藤井聡太王位・棋聖が出場する棋戦
将棋界において、棋士が戦う公式戦のことを「棋戦」と呼びます。棋戦には大きく2種類あり、タイトル戦と一般棋戦に分かれます。タイトル戦はその名のとおりタイトルを争うもので、頂点に立った棋士が「竜王」「名人」といったタイトルを保持、翌年には挑戦者を決めるトーナメントやリーグ戦が行われ、その優勝者がタイトル保持者と「五番勝負」「七番勝負」といったシリーズで対戦。勝ち越した方がタイトルを得ます。一般棋戦は、前年優勝者もシード権などはあるものの、トーナメントなどには他の棋士とともに参加します。
藤井聡太王位・棋聖が出場するタイトル戦
将棋界には8つのタイトルがあり、序列で並べると竜王・名人・王位・王座・棋王・叡王・王将・棋聖となります。序列は主にタイトル獲得時の賞金で決まり、たとえば竜王戦の七番勝負を制してタイトルを獲得した場合の賞金は4400万円です。(他のタイトル戦は賞金非公表)。
最も歴史のある名人については、名人戦七番勝負に出場するために、順位戦というリーグ戦に参加する必要があり、ほとんどの棋士がこの順位戦に参加します。リーグは5段階ありC級2組からスタート。A級が最上位で、このA級で最高成績を収めた棋士が名人に挑戦します。飛び級はないため、どれだけ活躍しても挑戦まで5年はかかる計算です。
逆に他の7タイトルはトーナメント、リーグ戦などの形式の違いはありますが、勝ち続けさえすればデビュー1年目でも挑戦権を得ることができます。藤井聡太王位・棋聖は、その名のとおり王位と棋聖のタイトルを持っており、この2つにおいては勝ち上がってくる棋士との防衛戦に登場、順位戦は2021年度をB級1組で、その他の5タイトルについては挑戦権を目指して戦うことになります。
藤井聡太王位・棋聖が出場する一般棋戦
一般棋戦と呼ばれるものは、全部で7つあります。ただし、それぞれの棋戦において参加条件が異なるものもあり、藤井聡太王位・棋聖が参加できる棋戦は、「朝日杯将棋オープン戦」「銀河戦」「NHK杯将棋トーナメント」「将棋日本シリーズ JTプロ公式戦」の4つです。若手棋戦とも呼ばれる「新人王戦」「YAMADAチャレンジ杯」「加古川青流戦」の3つについては、デビューまもない若手棋士や低段位の棋士を対象としており、既にタイトルを保持、八段にもなっている藤井聡太王位・棋聖は参加資格がありません。
「朝日杯将棋オープン戦」「銀河戦」「NHK杯将棋トーナメント」の3つは、全棋士参加棋戦とも呼ばれ、現役棋士が全員参加できます。藤井聡太王位・棋聖は、このうち朝日杯将棋オープン戦で3度、銀河戦で1度優勝しました。また「将棋日本シリーズ JTプロ公式戦」は、前回優勝者、タイトルホルダー、賞金ランキング上位といった条件の中から選抜されるもので、藤井聡太王位・棋聖はこの参加条件をクリアしています。
藤井聡太王位・棋聖が出場する非公式戦
タイトル戦、一般棋戦を公式戦と呼ぶのに対して、それ以外の番組企画やイベントでの対局を非公式戦と呼びます。棋士の公式な成績には反映されませんが、賞金が出るものもあり、棋士は非公式戦であっても真剣勝負をすることで有名です。藤井聡太王位・棋聖は、この非公式戦でも多くの注目を集めています。
デビュー間もない藤井聡太王位・棋聖が、公式戦以上に一躍その名を世にしらしめたのが、ABEMAで配信された「藤井聡太四段 炎の七番勝負」でした。最年少でプロになった藤井聡太王位・棋聖が、若手実力者からレジェンド羽生善治九段まで7人の棋士と対戦する企画で、周囲の予想は勝ち越しも難しいのではというものでしたが、敗れたのは永瀬拓矢王座の1人だけで、6勝1敗という大活躍。最終戦の羽生善治九段に勝利した際には、非公式戦であるにも関わらず、各種メディアで大きく取り上げられました。
その後、ABEMAで行われた超早指し棋戦「AbemaTVトーナメント」でも、その強さを存分に発揮。プロの将棋界では初と言われるドラフトによる団体戦「第3回AbemaTVトーナメント」でも見事に優勝を果たすと、ちょうど最年少でのタイトル挑戦と時期が重なっていたこともあってか、団体戦で普段見られない楽しげな表情にも注目が集まりました。
藤井聡太王位・棋聖の対局が見られるサービス
現在、藤井聡太王位・棋聖の対局を中継で最も多く見られるサービスとなっているのが「ABEMA」です。一部のタイトル戦、一般棋戦を除き、藤井聡太王位・棋聖の対局のほとんどを配信しているほか、非公式戦の記念対局なども見ることができます。また、オリジナルの対局企画も豊富にあり、いつもとは違う藤井聡太王位・棋聖の表情を見ることができます。
ABEMAで配信していない王将戦、銀河戦を独占で放送しているのが「囲碁・将棋チャンネル」です。放送対局の老舗チャンネルで、テレビだけでなくネット視聴の割合も少しずつ増えてきました。またNHK杯将棋トーナメントは、毎週日曜日にNHK・Eテレで放送されています。将棋界のニュースや講座で構成される番組・将棋フォーカスとともに視聴するファンが多いのも特徴です。
また、映像ではなく棋譜だけでも確認したいという人におすすめなのが、「日本将棋連盟モバイル(将棋連盟ライブ中継)」です。盤上、棋譜、持ち時間の増減、コメントなどが一手ごとに更新され、過去の対局を検索することも可能です。
藤井聡太王位・棋聖の成績について知れるサービス
藤井聡太王位・棋聖の成績について調べるには、やはり日本将棋連盟の公式ホームページが最適です。棋士別に成績がまとめられており、年度、通算といった条件でも一覧で表示されています。またタイトル戦、一般棋戦の過去の成績、歴代優勝者なども確認できるので、藤井聡太王位・棋聖がいつ優勝したか、前回はどこまで勝ち上がったかなどもチェックできます。勝敗に関するものだけでなく、細かいルールや、師匠・弟子の系譜などの情報もあるので、探していけば今まで知らない情報にも行き着くかもしれません。
藤井聡太王位・棋聖のまとめ
今や一挙手一投足にファンが注目するようになった藤井聡太王位・棋聖。次に達成する記録はどんなものになるでしょうか。その瞬間を逃さず見るために、各種サービスを効率よく使って、さらに将棋ライフを楽しいものにしましょう。
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