プロ麻雀リーグ「Mリーグ」。トッププロ30人が、8チームに分かれて約半年に渡る激闘を繰り返しています。2018年秋にスタートしたリーグでは、過去に麻雀の「華」である役満が何度も達成されています。多くの麻雀ファンが注目する中、見事に成し遂げた役満たちをここで見てみましょう。
プロ麻雀リーグ「Mリーグ」とは
プロ麻雀リーグ「Mリーグ」は、2018年に発足しました。1年目は7チーム、2年目から8チームが参加。企業がスポンサーとなり、他のスポーツ競技同様に、麻雀においても頭を使うスポーツとして連日、真剣勝負が繰り広げられています。その戦いぶりには一般のファンだけでなく、著名人ファンも年々増えており、これまで麻雀好きであることを公言してこなかった人でも、積極的に口にするようになってきました。
プロ麻雀リーグ「Mリーグ」の仕組み
2020シーズンは8チーム、全30人が参加しています。レギュラーシーズン(各90試合)を戦い、上位6チームがセミファイナルシリーズに進出。さらに上位4チームが、ファイナルシリーズに進出し、優勝を争います。優勝賞金は5000万円。また選手には最低年俸が400万円と決められています。麻雀において長くイメージとして定着していたギャンブルについては一切を排除。選手が麻雀に関する賭博行為をした場合には、解雇など厳罰に処されることになっています。
Mリーグの役満について
子でも3万2000点、親なら4万8000点という大量得点をゲットできる、麻雀における最高形・役満。雀力だけでなく、豪運の持ち主でもあるMリーガーたちは、通常の確率を超えるペースで役満を成し遂げています。テンパイまで含めれば、視聴者もかなりの頻度で役満が出るか出ないかという瞬間を、胸を踊らせながら見ていることになります。
Mリーグの役満に関するルール
日本全国でも様々なルールがある麻雀ですが、Mリーグの公式ルールでは、全12種類の役満が採用されています。天和、地和、国士無双、四暗刻、大三元、緑一色(發なしでも可)、字一色、小四喜、大四喜、清老頭、四槓子、九蓮宝燈で、役満以外の役が大量に複合した場合でも、いわゆる「数え役満」にはならず、上限は三倍満(十三翻以上)とされています。
Mリーグで実際に出た役満
Mリーグでは、これまで過去13回の役満が出現しています。種類は国士無双、四暗刻、大三元の3種類。四暗刻においては、より難易度が高い四暗刻単騎も達成されています。ここで名プレイヤーたちが成し遂げた数々の役満を見てみましょう。
Mリーグで実際に出た役満(1)
2018シーズン 10月26日第1試合 南1局1本場 南家・佐々木寿人(KONAMI麻雀格闘倶楽部) 国士無双(放銃・松本吉弘)
記念すべきMリーグの役満第1号は、「魔王」の異名を持つ超攻撃的選手であるKONAMI麻雀格闘倶楽部の佐々木寿人選手。この時、対戦者の一人であった赤坂ドリブンズ・村上淳選手も国士無双のイーシャンテンと、役満同士の激突ともなるところだったが、一歩先に出ていた佐々木選手が、見事にアガリをものにしました。
Mリーグで実際に出た役満(2)
2018シーズン 2月7日第2試合 東4局 西家・滝沢和典(EX風林火山) 大三元(放銃・園田賢)
佐々木寿人選手がMリーグ第1号の役満を出したことに触発されたのか、第2号を出したのはライバルとも言われるEX風林火山・滝沢和典選手。テクニシャンの園田賢選手から放たれた中に、渋い声でロンと発声するイケメン雀士の様子に、多くのファンが歓喜しました。
Mリーグで実際に出た役満(3)
2018シーズン(ファイナルシリーズ) 3月10日第1試合 南1局1本場 東家・前原雄大(KONAMI麻雀格闘倶楽部) 大三元(放銃・多井隆晴)
優勝をかけた戦い、ファイナルシリーズで初の役満を達成したのが、「地獄の門番」「ゴジラ」など、いろいろな異名を持つKONAMI麻雀格闘倶楽部・前原雄大選手。「最速最強」とも言われる渋谷ABEMAS・多井隆晴選手から放たれた1筒を逃さず、強烈な親の役満をアガり切りました。
Mリーグで実際に出た役満(4)
2019シーズン 10月11日第1試合 東4局 南家・近藤誠一(セガサミーフェニックス) 大三元(ツモ)
2年目を迎えたMリーグで初の役満を達成したのは、スケールの大きい麻雀が特徴のセガサミーフェニックス・近藤誠一選手。バラバラの手牌からオリジナルの手順を踏むと、みるみる役満に成長。最後に發をツモった際に思わずもれた「カッ!」という声も話題となりました。
Mリーグで実際に出た役満(5)
2019シーズン 10月26日第2試合 東4局2本場 北家・瀬戸熊直樹(TEAM雷電) 四暗刻(ツモ)
ファンもしびれる手さばきでアガリ牌を持ってきたのがTEAM雷電・瀬戸熊直樹選手。スッと持ってきた4索を、高スピードで裏返し、あっという間に四暗刻の倒牌をしました。後に「トルネードツモ」と呼ばれ始める瀬戸熊選手の手は、常に注目の的です。
Mリーグで実際に出た役満(6)
2019シーズン 11月14日第1試合 南1局2本場 沢崎誠(KADOKAWAサクラナイツ)四暗刻(ツモ)
2019シーズンから参戦したKADOKAWAサクラナイツ。このチームに初の役満をもたらしたのは、リーグ最年長選手・沢崎誠選手でした。ゆったりと、かつ力強い手さばきから持ってきたのは5索。対戦相手たちも、これはまいったとばかりの表情を浮かべていました。
Mリーグで実際に出た役満(7)
2019シーズン 12月12日第1試合 南3局1本場 南家・白鳥翔(渋谷ABEMAS) 四暗刻・単騎(放銃・小林剛)
役満の中でも比較的アガりやすいと言われている四暗刻ですが、単騎となると一気にレア度が上昇します。これをMリーグで初めてやり遂げたのが、渋谷ABEMAS・白鳥翔選手。三・五・六萬の変則3面張から、見事に高めの五萬を捕らえました。
Mリーグで実際に出た役満(8)
2019シーズン 2月25日第2試合 南4局2本場 南家・黒沢咲(TEAM雷電) 四暗刻・単騎(放銃・内川幸太郎)
めったに出ないと思われた四暗刻単騎が、2度も続けて出るあたりがMリーグのすごいところ。アガったのはMリーガーの中でも強運の持ち主で「セレブ」とも呼ばれるTEAM雷電黒沢選手でした。長考・熟考の末に放銃したKADOKAWAサクラナイツ・内川幸太郎選手の表情も必見です。
Mリーグで実際に出た役満(9)
2019シーズン 2月27日第1試合 東1局 南家・魚谷侑未(セガサミーフェニックス) 国士無双(ツモ)
前回の役満からわずか2日後、しかも東1局に飛び出したのがセガサミーフェニックス・魚谷侑未選手の国士無双です。この年、シーズンMVPを獲得する魚谷選手ですが、その好調ぶりを改めて証明するような、会心の役満となりました。
Mリーグで実際に出た役満(10)
2019シーズン 3月3日第2試合 南3局1本場 南家・魚谷侑未(セガサミーフェニックス) 四暗刻(ツモ)
リーグ史上初、1シーズンで2度役満をアガったセガサミーフェニックス・魚谷侑未選手。シーズンMVPに向けて絶好調モードだった時期ですが、その勢いが他の追随を許さないものであると決定づけた役満でした。
Mリーグで実際に出た役満(11)
2019シーズン(ファイナルシリーズ) 6月18日第1試合 南1局 東家・朝倉康心(U-NEXT Pirates) 大三元(ツモ)
ぎりぎりの4位でファイナルシリーズに進出したU-NEXT Piratesを優勝に向けて勢いづけたのが、朝倉康心選手の親番での大三元ツモ。常に苦戦を強いられながら生き残ってきたチームが、一気に加速した瞬間でもありました。
Mリーグで実際に出た役満(12)
2020シーズン 11月16日第1試合 東2局 東家・松本吉弘(渋谷ABEMAS) 四暗刻(ツモ)
3年目を迎えたシーズンで役満第1号となったのは、男性選手では最年少の渋谷ABEMAS・松本吉弘選手でした。過去2シーズン、苦しみ続けていた松本選手ですが、わずか6巡でアガった役満を契機に調子も成績も急上昇。個人MVPを争うほどになりました。
Mリーグで実際に出た役満(13)
2020シーズン 1月2日第1試合 東4局1本場 東家・堀慎吾(KADOKAWAサクラナイツ) 四暗刻(ツモ)
2021年初の役満をアガったのは、2020シーズンから新加入した30人目のMリーガー、KADOKAWAサクラナイツの堀慎吾選手。1年目から巧みな打ち回しを見せていますが、大物手も確実に仕留めるあたりは、加入前から要注意と言われていた実力者ならではでした。
Mリーグで実際に出た役満(14)
2020シーズン 4月20日第2試合 東3局 西家・鈴木たろう(赤坂ドリブンズ) 四暗刻(ツモ)
「ゼウスの選択」とも呼ばれる独特の打牌選択をする鈴木たろう選手。この役満では第1打から8筒を3連続で切ることになるなど、アガリには遠いかと思われたところから、みるみる手牌が成長。高目追求も功を奏して、見事に四暗刻をツモ。実質「五暗刻」だとファンの間でも大盛り上がりとなりました。
Mリーグで実際に出た役満(15)
2020シーズン 4月29日第2試合 東1局1本場 西家・松本吉弘(渋谷ABEMAS) 四暗刻(ツモ)
2020シーズンに自身初の役満をアガった松本選手ですが、大事なセミファイナルシリーズの戦いでも、2度目の役満をアガりました。終局後の得点も9万点をオーバーし、あと少しでMリーグの最高得点記録を更新するところでした。
Mリーグで実際に出たレア役
Mリーグでは役満並みに出現率が低いとされるレア役も飛び出しています。成立が難しい門前役・二盃口、相手が加カンしないとチャンスがない槍槓は、いずれも2020シーズンにセガサミーフェニックス・茅森早香選手がアガり、「レア役ハンター」という異名もつきました。
Mリーグの試合が見られるサービス
プロ麻雀リーグ「Mリーグ」の全試合は、ABEMAで配信されています。通常の試合だけでなく、オフショット動画や、本編とは別に行われたインタビューなども毎日更新されています。試合のダイジェストや、Mリーグ・麻雀に関する様々な情報を伝えるニュース番組「熱闘!Mリーグ」は、ABEMAで配信されているほか、テレビ朝日でも放送されています。
Mリーグの役満まとめ
経験、実力を兼ね備えたトップ選手たちでも、ここ一番の場面で役満をテンパイすれば、指が震えることもあるハイライトシーン。その緊張や、気持ちのぶつかりを存分に楽しみましょう。