将棋の藤井聡太王位・棋聖(18)が2月18日、竜王戦2組ランキング戦で広瀬章人八段(34)に103手で勝利、ベスト4進出を果たした。次局は松尾歩八段(40)と対戦。史上初となる5期連続優勝にあと2つと迫り、公式戦連勝も今年度トップとなる「15」に伸ばした。また、竜王戦ランキング戦は無敗の22連勝となった。
既にタイトルを2つ保持し「4強」にも数えられる天才棋士に、まだ伸びしろが十分にあることを感じさせる快勝だった。先手番となった一局で、選択した戦型は相掛かり。これまで後手番で相手が選択したことはあったが、自ら先手で選んだことは一度もなかった。先日、通っていた高校を1月末で自主退学していたことを公表。これまで以上に、将棋の研究に集中する環境を整えた若き二冠が、タイトル2期を誇る強敵を相手に、新たな戦型を用いて快勝したことで、ABEMAで解説をしていた棋士たちからも驚きの声が相次いだ。
連勝といえば、自ら樹立した史上最多の29連勝があまりにも有名だが、トップ棋士ばかりを相手に積み重ねたこの15連勝も、同等以上の価値がある。最後に負けたのは昨年10月に行われた王将戦挑戦者決定リーグ、永瀬拓矢王座(28)戦。以降、タイトル経験者、高段者ばかりと対局が続き、朝日杯将棋オープン戦では豊島将之竜王(叡王、30)に初勝利。準決勝でも渡辺明名人(棋王、王将、36)に大逆転勝利。勝負強さも見せながら、連勝街道を突き進んでいる。
強者が集う2組でも変わらぬ強さを見せつける藤井王位・棋聖。準決勝の松尾八段戦に勝利すれば、決勝では渡辺名人と対戦する可能性もある。史上初のランキング戦5期連続優勝に向けては、これ以上ない強敵にもなるが、将棋の道に集中し成長を続ける藤井王位・棋聖に、いよいよ黒星がつく未来が見えづらくなってきた。
(ABEMA/将棋チャンネルより)