チームのセミファイナルシリーズ進出を手繰り寄せる、まさに殊勲の大トップだった。プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2020」3月4日の第1試合で、赤坂ドリブンズ・鈴木たろう(最高位戦)が今期7勝目を獲得。レギュラーシーズンの最終盤、ボーダー付近で争うチーム同士の天王山で、後続に影すら踏ませないワンサイドゲームを展開した。
この試合の対局者はKONAMI麻雀格闘倶楽部・佐々木寿人(連盟)、セガサミーフェニックス・近藤誠一(最高位戦)、U-NEXT Pirates・朝倉康心(最高位戦)、鈴木の並びでスタート。レギュラーシーズン全90試合の85試合目、6位までが進出できるセミファイナルに向けて僅差で競り合う4・5・7・8位の直接対決ということもあり、試合前は「けっこう緊張していた」という鈴木。しかしいざ対局がスタートすると、緊張の色など微塵も感じさせない怒涛のアガリラッシュを披露する。
東2局1本場、解説の土田浩翔(最高位戦)が「たろうの手順通り」と語ったリーチ・ツモ・赤2の8000点(+300点、供託1000点)という感触のいいアガリで先制すると、鈴木は一気にエンジン全開。続く東3局にはリーチ・ドラ・裏ドラの5200点、さらに東4局の親番にもリーチ・一発・ツモ・赤の1万2000点と3連続のアガリで大量加点に成功し、この時点で持ち点は5万点を突破した。
3選手が激しい2着争いを繰り広げる中、鈴木は南2局2本場からふたたび“ゼウス”という異名通りの“神モード”に突入する。手堅いダマテンで平和・ドラ2の3900点(+600点、供託3000点)をアガり、南3局も絶好の配牌からわずか4巡でテンパイ。この手をツモ・タンヤオ・平和・三色同順・赤の1万2000点に仕上げ、オーラスの親番を前に大トップがほぼ確定する状況を作り上げた。
実況の日吉辰哉(連盟)が「たろうフェスタ2021が始まってしまった!」と名調子を披露するほどの独演会はなおも止まらず、鈴木は南4局にもリーチ・赤2の7700点(+供託1000点)を加点。合計6回のアガリで6万2900点の大トップを獲得し、試合後のインタビューでは開口一番「嬉しくてしょうがないです」と抑えきれない喜びを口にした。
鈴木のトップで82.9ポイントを加算した赤坂ドリブンズは、続く第2試合でも園田賢(最高位戦)が2着となり、1日で7位から4位まで一気にジャンプアップ。いまだ安泰とは言えないポジションながら、セミファイナル進出がついに視界に入ってきた。まさかのレギュラーシーズン敗退に終わった昨期の屈辱から約1年、Mリーグ初代王者としての誇りを取り戻すための戦いは続いていく。
【第1試合結果】
1着 赤坂ドリブンズ・鈴木たろう(最高位戦)6万2900点/+82.9
2着 セガサミーフェニックス・近藤誠一(最高位戦)1万9400点/▲0.6
3着 KONAMI麻雀格闘倶楽部・佐々木寿人(連盟)1万1500点/▲28.5
4着 U-NEXT Pirates・朝倉康心(最高位戦)6200点/▲53.8
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)
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