将棋の藤井聡太王位・棋聖(18)が3月10日、順位戦B級2組の11回戦(最終戦)で中村太地七段(32)に127手で勝利し、10戦全勝で今期の順位戦を終えた。全勝での昇級は2年連続3度目。年をまたいでも継続している連勝は「16」まで伸び、年度勝率は.8431まで上昇した。
【中継】藤井聡太王位・棋聖、自身3度目の全勝昇級!最年少名人への道
2020年度はタイトルを2つ、全棋士参加棋戦も2回優勝と、29連勝したデビュー年度以上に充実した1年を送っている藤井王位・棋聖だが、その勢いはさらに増すばかりだ。本局では、タイトル経験もある実力者・中村七段と、相掛かりの一局を選択。序盤から積極的に持ち時間を使うと、互角の中盤を経由。終盤では中村七段の攻めをしっかり受け止めてから、確実にリードを拡大した。中継していたABEMAの解説陣も「いつの間にか差がついていた」と表現するほど、自然な流れの中で一気に勝負をつけた。なお、順位戦としては21連勝、通算39勝1敗というパーフェクトに近い成績で、自身の昇級に華を添える形となった。
対局後、藤井王位・棋聖は「相掛かりにするのは予定でした。(長考は)少し珍しい序盤になって、どういう風に組んでいくべきか難しいと思っていました」と振り返ると、「序盤はあまり思わしい展開じゃないと思っていましたが、中盤からは勝負をかけようと。うまく粘られて決めきれない状況が続きました」と語った。全勝での昇級については「最終局は来期にもつながると思っていたので、いい形で終えられました。来期も1局1局、全力を尽くしたいです」と、来期への思いも口にした。
1月末に通っていた高校を自主退学したが、より将棋に集中する環境が整ったのか、昨年末から続く連勝は「16」まで続いた。デビュー直後の29連勝よりも、対戦相手のレベルははるかに高くなっているだけに、同等もしくはそれ以上の活躍ぶりと言える。また、年度勝率.8431まで上昇。今年度の残り対局は、23日に行われる竜王戦2組ランキング戦の準決勝、松尾歩八段(40)戦で、史上初の「4年連続勝率8割」は確定、勝てばこれも史上初の「2度目の勝率.840以上」にもなる。
(ABEMA/将棋チャンネルより)