諫山創氏による世界的ヒット漫画「進撃の巨人」が、4月9日に発売される「別冊少年マガジン」(講談社)5月号でついに完結。「正義とは?悪とは?」と読者に問いかけるような壮大なストーリーの中で、主人公エレン・イェーガーの立ち位置もどんどん変化していきました。エレンの名シーンを、ここで振り返りましょう。
■エレン・イェーガーって?
物語の主人公であるエレンは、巨人の急襲を受けて、目の前で家と母親を失いました。成長後、なぜか巨人に変身する能力を持っていることが判明。調査兵団の仲間たちと共に巨人と戦いながら、エレンは自身の力の秘密を探っていくことになります。そして、世界の秘密を知ったとき、エレンは大きな決断を迫られました。初めは熱血漢のいかにも主人公!というキャラクターでしたが、物語が進むにつれて、全く印象が変わって驚いたファンも多いことでしょう。アニメ版では、声優の梶裕貴がエレンの声を担当しています。
■エレンの名シーンまとめ
・「駆逐してやる!!この世から…1匹残らず」(原作第2話、アニメ第2話)
生まれ故郷が巨人に襲われ、目の前で家と母親を失ったエレン。怒りに燃えながら、巨人への復習を誓ったときのセリフです。「退治してやる」でも「滅ぼしてやる」でもなく、「駆逐してやる」……。「進撃の巨人」は未読でも、このインパクト大のセリフは知っている人が多いのではないでしょうか。「アニメ流行語大賞 2013」の銀賞を獲得した、作品を代表する名台詞のひとつです。
・「この…腰抜け共め…いいから黙って全部オレに投資しろ!!」(原作第19話、アニメ第14話)
巨人化の能力によって人類を助けたエレンですが、その特異な力のせいで囚えられ、審議にかけられます。エレンを処刑すべきか――?保守派や憲兵団が各々の意見を戦わせる中で、エレンは「力を持っている人が戦わなくてどうするんですか」と主張。そして、この言葉を叫びました。たとえばビジネスシーンで話し合いが硬直したときなど、日常の場で真似したくなるセリフかも!?
・「そんなもん何度でも巻いてやる これからもずっとオレが何度でも」(原作第50話、アニメ第37話)
戦場から退避中、エレンとミカサは落馬して絶体絶命の状況に陥ります。己の無力さを痛感して号泣するエレンに対して、ミカサは「私にマフラーを巻いてくれてありがとう」とこれまでの感謝を伝えました。気力を取り戻したエレンは、再び立ち上がり、このセリフを告げたのでした。エレンとミカサの関係を表した感動のシーンです。
・「俺たちは皆 生まれた時から自由だ それを拒む者がどれだけ強くても関係無い」(原作第14話、アニメ第13話)
トロスト区奪還を目指し、巨人化したエレンが大岩を運んで壁の穴をふさぐ作戦が決行されます。兵士たちは命を賭して、他の巨人からエレンを守ろうとしました。次々と兵士が命を落としていく中での、エレンのモノローグです。この“自由”についての力強いメッセージこそ、「進撃の巨人」が世界中の人々の心に響く作品となった理由と言えます。
・「…なぁ? 向こうにいる敵…全部殺せば…オレ達 自由になれるのか?」(原作第90話、アニメ第59話)
調査兵団の仲間たちが初めての海に目を輝かせる一方で、エレンの表情はどこか暗く……。海の向こうにあるのは自由ではなく、新たな戦いだと気づいたエレンは、このセリフを口にしました。「進撃の巨人」という物語は、初めは熱血漢のエレンが巨人と戦うシンプルなストーリーでしたが、やがて人間同士の思惑が複雑に絡み合うものへと変化していきました。単純な「正義」と「悪」の二項対立ではなくなった物語を象徴するようなセリフです。
■最終回でも新たな名場面が?
もちろん、ここで紹介しきれなかったエレンの名シーンはいくつも存在します。「こっちが善で、あっちが悪」とシンプルな二元論で括れない物語だからこそ、エレンの印象も物語の最初と最後で大きく変わりました。主人公エレンの言葉、今のあなたはどう受け止めますか?
(C)諫山創・講談社/「進撃の巨人」製作委員会
アニメ「進撃の巨人」The Final Season完結編にあたるエピソード(動画リンクつき)
完結編(前編) | |
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88 | 地鳴らし |
89 | 自由の翼 |
90 | 絶望の淵にて |
完結編(後編) | |
91 | 天と地の戦い |
92 | 心臓を捧げよ |
93 | 長い夢 |
94 | あの丘の木に向かって |