卓上をにらむように見つめるその目は、まさに“勝負師”そのものだった。プロ麻雀リーグ「朝日新聞Mリーグ2020」セミファイナルシリーズ、4月19日の第2試合でTEAM雷電・瀬戸熊直樹(連盟)が鬼気迫る表情で鋭い攻めを繰り出し、今シリーズ初勝利を決めた。
この試合の対局者はKADOKAWAサクラナイツ・沢崎誠(連盟)、EX風林火山・滝沢和典(連盟)、KONAMI麻雀格闘倶楽部・藤崎智(連盟)、瀬戸熊の並びでスタート。第1試合で萩原聖人(連盟)が箱ラスを喫し、セミファイナル進出争いから一歩後退しており、瀬戸熊は挽回を期した登板となった。
最初のアガリは東3局、藤崎のリーチにダマテンで立ち向かい満貫のツモアガリ。これでトップに立つが、次局は沢崎にマクられてしまう。再度突き放すアガリが生まれたのは南1局、リーチ・一発・ツモ・平和の5200点をアガってトップ目へ。この時、点箱から卓上へと視線を戻す瀬戸熊の険しい表情、そして鋭い“勝負師の目”が画面に大きく映し出され、実況を務めていた日吉辰哉(連盟)は「この目つきだ、鋭い!鋭すぎる!」と思わず絶叫。解説の土田浩翔(最高位戦)も「いい顔じゃないですか」と心酔した。
南3局2本場、藤崎の親リーチに対して「あそこで負けてもまだ最後の親番が残っている」と、リードをさらに広げるべく追っかけリーチ。これを見事にアガってリーチ・タンヤオ・平和の3900点(+600点)を獲得。オーラスも満貫をテンパイしたが、最後は手を伏せて流局、最後まで攻め続け、セミファイナル初勝利を挙げた。
盟友・萩原の悔しいラスを1戦で取り返す価値ある1勝。そしてこのトップでチームは再びファイナル圏内である4位に復帰した。インタビューに登場すると対局中の険しい“勝負師”の顔から一転、柔和な表情で「萩原さんは残念な結果でしたけど、僕のほうがなんとか踏ん張れた」と笑みを浮かべた。
ファイナル進出争いについては「スコア表を見るたびに胃が痛くなるんで、あんまり見ないようにして、チームでは『僕たちの麻雀を打ち切りましょう』ってことで決めてるんで」と、このプレーオフにあっても自分らしさを忘れず、最後まで信じる自らのスタイルで戦い続けることを宣言。最後はファンへ向けて「3人とも元気でやっていますんで、心理的には厳しい状況続いていますけど、初のファイナル目指して戦っていきます」と次のステージへの意気込みを語った。
チームメイトの失点をすぐさまリカバリーした活躍ぶりに視聴者からは「雷電上がってほしい!!」「熊さん偉い!!「瀬戸熊最強!」「仲良くて微笑ましい」とコメントが並んだ。また“勝負師”としてギラギラした表情と、インタビューでの優しい笑顔のギャップに魅了された視聴者も多く、「奇跡の50歳、イケメンがすぎる」とそのカッコよさにほれぼれといった声も書き込まれていた。
【第2試合結果】
1着 TEAM雷電・瀬戸熊直樹(連盟)3万8600点/+58.6
2着 KADOKAWAサクラナイツ・沢崎誠(連盟)2万5500点/+5.5
3着 EX風林火山・滝沢和典(連盟)2万4800点/▲15.2
4着 KONAMI麻雀格闘倶楽部・藤崎智(連盟)1万1100点/▲48.9
【4月19日終了時点での成績】
1位 KADOKAWAサクラナイツ +290.6(8/16)
2位 渋谷ABEMAS +269.1(6/16)
3位 赤坂ドリブンズ +18.5(6/16)
4位 TEAM雷電 ▲60.1(6/16)
5位 EX風林火山 ▲62.8(6/16)
6位 KONAMI麻雀格闘倶楽部 ▲124.6(8/16)
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)