将棋の叡王戦段位別予選(九段戦)が4月22日に行われ、森内俊之九段(50)が羽生善治九段(50)に114手で勝利した。森内九段はこの後、午後7時から本戦出場をかけたブロック決勝でもう一局戦う。
長年、将棋界を牽引してきたレジェンド2人による通算138局目の対戦は、森内九段の冴えが光るものとなった。矢倉の出だしから進んだ対局は、互角の序中盤ながら50手を過ぎたあたりから、徐々に森内九段のペースに。終盤まで羽生九段から反撃をされる難しい場面の連続ではあったが、逆転のきっかけを与えることなく逃げ切り。健在ぶりを見せる一局となった。
昨年度、2年ぶりにタイトルにも挑戦し、順位戦A級にも在籍し続ける羽生九段に対し、森内九段は2017年度の終了をもって、フリークラスへの転出を宣言。当時は第一線を退くのではと周囲の関係者も受け取っていたところだが、ここ数年では将棋ソフトの活用もあり、2020年度の成績は12勝8敗と5年ぶりに勝ち越し。復調ぶりを見せていた。この日の一局でもその力強さにファンからは「まだまだいける!」「史上最強のフリクラ」という声が相次いでいた。
叡王戦は四段から九段までに分かれた段位別予選を行い、12人が通過。シード棋士4人を加えた16人で本戦を戦う。28人が参加する九段戦は3組に分かれ、各組優勝の3人が本戦に進む。今期から主催が不二家となり、対局室には栄養補給用にお菓子ボックスが置かれている。
(ABEMA/将棋チャンネルより)