畳の上で盤に向かい、という姿からは想像もできない映像が生まれていた。プロ将棋界唯一の団体戦「第4回ABEMAトーナメント」に出場するチーム糸谷の糸谷哲郎八段(32)、山崎隆之八段(40)、服部慎一郎四段(21)の3人が、激闘を前にチームワークを高める動画企画に出演した。これまで他のチームはクイズや街ぶらといった、比較的ライトなものだったが、この3人による動画の題材はなんとバンジージャンプ。棋士たちが次々と空を舞い、宙吊りになってぶらんぶらんと揺れるという衝撃映像に、目の肥えたファンも度肝を抜かれることとなった。
1人、また1人と地上54メートルという高さに設置されたバンジージャンプの施設に向かい、そして飛んでいった。事の発端は、チームリーダーの糸谷八段がタイトル戦に出場していて多忙だったため、企画について山崎八段に一任されたことから。第1回、第3回大会に出場したものの「練習の時より硬くなってしまって、実力出しきれなくて…」と、メンタル面に課題を感じていた山崎八段が、強いハートを手に入れようと番組スタッフと相談していたのが、このバンジー体験だった。糸谷八段からは「なんでバンジー!?」とツッコまれると、決めた本人も「(相談した)その日の僕のテンションがおかしくて。リアルに決まってすごく後悔しています」と、苦笑いしていた。
それでも3人揃って会場に来てしまった以上、何もやらずに帰るわけにはいかない。言い出しっぺである山崎八段が1人目に決まり「一番ハートが弱いんで、鍛えた方がいい」と言っていたものの、準備を始めるにつれて本格的な恐怖が迫り「めっちゃ怖い…。怖い!怖い!怖い!」と叫び出した。
ただ、覚悟を決めればそこは勝負師。より恐怖を感じると言われる背面飛び(背中側から落ちる)で飛んでいくと「うぉぉぉ!なんだこれ!」と急激にテンションアップ。一度、バウンドしてからは「気持ちいい!これは気持ちいい!」と恐怖を克服した後に、宙吊り状態になりながらも絶景を楽しむほどのメンタルを手に入れた。
続いて飛んだ若手の服部四段は「うぉぉ!うわっ!うわっ!」と騒ぎながら体験したものの「怖いというか、感覚がなかった」とあっという間の出来事に、少々パニックになっていた。そして最後はリーダー糸谷八段。「目指せ!動画PV数、1位!」と、将棋の団体戦という本来の主旨とは大きく外れた目標を叫びながらダイブすると、巨体は河に向かって一直線に落下。巨体の効果もあってか、大きくバウンドする様子に、見守っていた山崎八段、服部四段からも驚きの声があがっていた。
将棋棋士がバンジージャンプに挑戦するという、めったにない映像に、公開された直後から将棋ファンの間では大きな話題に。「一体何をしてらっしゃるんですかこの方達は….!!?」「宙吊りの棋士を拝める動画爆誕。」「なんでそうなったwww」「チーム糸谷はチーム動画もレベルが違うぜ…!」と大好評だった。
◆第4回ABEMAトーナメント 第1、2回は個人戦、第3回からは3人1組の団体戦として開催。ドラフト会議で14人のリーダー棋士が2人ずつ指名。残り1チームは、指名漏れした棋士がトーナメントを実施、上位3人が15チーム目を結成した。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。チームの対戦は予選、本戦トーナメント通じて、5本先取の9本勝負。予選は3チームずつ5リーグに分かれて実施。上位2チーム、計10チームが本戦トーナメントに進む。優勝賞金は1000万円。
(ABEMA/将棋チャンネルより)