将棋のヒューリック杯棋聖戦の決勝トーナメント決勝（挑戦者決定戦）が4月30日に行われ、渡辺明名人（棋王、王将、37）が永瀬拓矢王座（28）に129手で勝利した。この結果、渡辺名人は昨期、この棋聖のタイトルを奪われた藤井聡太棋聖（王位、18）への挑戦権を獲得。今期は最強の挑戦者として、リベンジマッチに向かうことになった。
【中継】ヒューリック杯棋聖戦決勝トーナメント渡辺明名人対永瀬拓矢王座
昨期、渡辺名人は五番勝負で、永瀬王座は挑決で、それぞれ藤井棋聖に敗れており、どちらもリベンジを目指す一局となったが、ペースを握ったのは永瀬王座。序盤、中盤とじりじりと差を広げると、一時ははっきりと永瀬王座が優勢になった。
ただ、残り時間も徐々に少なくなったところから、渡辺名人の反撃が奏功。逆転してからも少しの油断もできない苦しい状況は続いたが、正確な手を続けて大きな勝利を収めた。
対局後、渡辺名人は「序盤で失敗してしまって、粘る方針でした。一時はかなり苦しかったので、あまり（勝利の）実感がわかないです」と語ると、藤井棋聖に挑戦することについては「非常に注目度が高いタイトル戦になると思うので、張り切って臨みたいです。今年は日程的にも通常ですし、昨年よりいい将棋が指せるように準備して精一杯臨みたいです」と意気込んでいた。
渡辺名人は棋聖だった昨期、藤井棋聖が最年少のタイトル獲得を目指す相手として、防衛戦を戦った。結果、1勝3敗で失冠。この五番勝負の第2局で藤井棋聖が指した△3一銀が、2020年度の将棋大賞で升田幸三賞の特別賞にも選ばれている。“現役最強”の棋士と、目下19連勝中の天才棋士。この夏も、ファン大注目のタイトル戦になる。
（ABEMA／将棋チャンネルより）
