米の生態学専門誌『Ecology』に論文掲載 小学6年生“カブトムシ研究者”にインタビュー
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 アメリカの生態学専門誌『Ecology』に、小学6年生・柴田亮さんがファーストオーサー(=第一著者)を務めた論文が掲載され、話題を集めている。

【映像】メモにぎっしり書き込みが! 小学6年生の“研究者” 柴田亮さんの自由研究ノート(5分ごろ~)

 柴田さんは、研究論文の中でコガネムシ科の甲虫であるカブトムシの習性に言及。日本国内のカブトムシは夏、日没後に現れてクヌギの木の樹液を吸い、夜明けにはいなくなる……これが今までの定説だった。しかし、柴田さんの研究によって、その常識は大きく覆されることになった。

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 山口大学理学部の小島渉講師は「カブトムシは通常、夜行性だが(柴田さんの研究によって)シマトネリコという木に来るときだけは昼間も活動することが分かった」と話す。

 元々、シマトネリコは沖縄や台湾、フィリピンなど、南の国にしかない植物だったが、2000年頃から本州にも進出。今では街路樹や庭木をはじめ、各地で幅広く植えられている。

「日本のカブトムシにとって、シマトネリコは新しいエサですね。(新しい)エサが現れて、それによって本来の夜行性だった習性が狂ってしまった可能性があります。今回の研究は私自身は全くデータを取っておらず、全部小学生の柴田亮くんが取ってくれたデータです」(山口大学理学部・小島渉講師)

 世紀の大発見をした柴田亮さんは、なんと埼玉県に住む小学6年生。ニュース番組『ABEMAヒルズ』では、実際に亮さんにインタビューを行った。

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「カブトムシは人間よりもずっと前から地球上にいる、自分たちの先輩だと思う。僕は日本のカブトムシが一番好きです。角の形が芸術的ですし、メスの小さくてかわいいところも好きです」(以下、柴田亮さん)

 取材中、カブトムシへの愛が止まらない亮さん。亮さんが、カブトムシの調査を始めたきっかけは、幼少期の体験だった。

「幼稚園のとき、夜にキャンプに行きました。そのときにカブトムシを探しに行ったのですが、一匹も捕まえられなくて。庭のシマトネリコには、なぜか昼間もカブトムシが多く集まっていた。それを不思議に思って、調べてみたのがきっかけです」

 自由研究として、シマトネリコとカブトムシの関係を調べ始めたのは、小学4年生だった2019年の夏休みだという。庭のシマトネリコに来るカブトムシの数を1日数回、毎日数えたり、非常に固いといわれるシマトネリコの固さを調べるためにやすりで削ったりと、さまざまな実験を行った。

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「カブトムシの中に(シマトネリコを)すごい力で削っているメスがいた。足でがっちり木を掴んでいて、すごい迫力だった。音もガリガリ聴こえてきた」

 そして夏休みが終わる前、亮さんは「わたしのカブトムシ研究」(さ・え・ら書房)などの著者である山口大学の小島講師にメールで相談。小島講師の本は、以前から愛読していたという。

 小島氏から丁寧なアドバイスをもらったことで、翌2020年の夏休みにはカブトムシの個体それぞれに番号をつけてより詳しい研究を行った柴田さん。

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「いろいろなパターンを組み合わせて研究するために、アクリル絵の具を使って、カブトムシの背中や足に塗った。だいたいのカブトムシは、シマトネリコ以外の木だと、夜に増えて朝方の3時くらいにはかなり減ってしまう。でも、シマトネリコの木には夜にカブトムシが来て、(朝になっても)半数近くが残っていた。夜の調査は印が見えにくかったり、付けにくかったりして大変だったけれど、研究や観察はとても楽しかった」

 まさに『偉業を成し遂げた』といっても過言ではない亮さん。発見は「うれしかった」と話す一方、まだまだ研究に対して貪欲な姿勢を見せている。

「シマトネリコにカブトムシがいることは前から分かっていて、それをデータで証明できた。今回で分かったことがたくさんあるけれど、まだまだ分かってないこともたくさんある。カブトムシの謎をもっと解明していきたい」

ABEMA/『ABEMAヒルズ』より)

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