レジェンド三人衆が強い!佐藤九段、森内九段、谷川九段が貫禄たっぷりに初戦突破/将棋・ABEMAトーナメント
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 プロ将棋界唯一の団体戦「第4回ABEMAトーナメント」予選Bリーグの第2試合、チーム康光とチーム糸谷の対戦が5月8日に放送され、チーム康光がスコア5-3で勝利した。リーダーで日本将棋連盟会長でもある佐藤康光九段(51)を筆頭に、森内俊之九段(50)、谷川浩司九段(59)と、全員が永世称号を持つレジェンド三人衆が、自由奔放な棋風のチーム糸谷を相手に、力強い将棋に終始。実績、貫禄だけでなく、超早指しという“局地戦”においても、昨年大会同様の強さで初を飾った。

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 その落ち着き、力強さは1年前よりむしろ増した感じすら与える、そんな勝利だった。リーダー佐藤九段は永世棋聖、森内九段と谷川九段は永世名人の有資格者。この実績だけでも後輩棋士たちが震えそうなものだが、持ち時間5分・1手指すごとに5秒加算という超早指し戦という若手有利に思える戦いでも、その鋭さが光りまくった。

 先陣を切ったのは谷川九段だ。チーム糸谷・山崎隆之八段(40)と第1局から千日手・指し直しとなると、これでエンジンがかかったのか指し直し局ではびしびしと相手の急所を点く好手を連発。解説を務めた三枚堂達也七段(27)が「終盤も落ち着いていて、間違える雰囲気がなかったですね」と脱帽をする快勝を収めて、チームに勢いをつけると、見守っていた佐藤九段からも「強い…すごすぎますね」と、驚きのため息すら出ていた。さらに谷川九段は、決定局となった第8局でも相手のリーダー糸谷哲郎八段(32)を撃破。2勝1敗の好成績で、チームの勝利に大きく貢献した。

 昨年、エースとして活躍した森内九段も、徐々に力を見せてきた。自身初戦の第2局こそ糸谷八段に敗れたが、新鋭・服部慎一郎四段(21)との第5局は、「途中、攻めさせられる形になった」と振り返るものの、服部四段の受けを撃破。流れるような手順で快勝を収めると、第7局では服部四段と再戦。この局はペースを握られてから受け続けていたが、攻守のバランスをうまく保ちながら反撃。最後は1手勝ちを収め、2勝1敗と勝ち越した。

レジェンド三人衆が強い!佐藤九段、森内九段、谷川九段が貫禄たっぷりに初戦突破/将棋・ABEMAトーナメント
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 頼もしい2人を率いた佐藤九段も、しっかりと結果を出した。第3局の服部四段戦は、受け身の将棋ながらも、うまく嫌味をつけながら最後は逆襲で勝利。第6局こそ山崎八段に敗れたものの、1勝1敗の五分。いい流れを断ち切ることなく、仲間の戦いを盛り上げる役までこなした。

 予選突破に大きく近づく勝利を手にした佐藤九段は「厳しい戦いが予想された中で、こういう結果が出せてよかったです。非常に心強いお二人がどちらも勝ち越して、内容的にも素晴らしいものが続きました。今の調子をみなさんで維持して、盛り上がっていきたいです」と、口も滑らか。昨年は森内九段が孤軍奮闘、というイメージもあったが、今回は初戦からきれいに3人が白星を並べての好スタート。チーム名に「シン」を加えて再結成された「シン・レジェンド」。まさに伝説の3人は、後輩にとってさらに分厚く大きな壁となって帰ってきた。

◆第4回ABEMAトーナメント 第1、2回は個人戦、第3回からは3人1組の団体戦として開催。ドラフト会議で14人のリーダー棋士が2人ずつ指名。残り1チームは、指名漏れした棋士がトーナメントを実施、上位3人が15チーム目を結成した。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。チームの対戦は予選、本戦トーナメント通じて、5本先取の9本勝負。予選は3チームずつ5リーグに分かれて実施。上位2チーム、計10チームが本戦トーナメントに進む。優勝賞金は1000万円。

ABEMA/将棋チャンネルより)

貫禄のレジェンド三人衆
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予選突破を決めたチーム糸谷
予選突破を決めたチーム糸谷
レジェンド3人の共演
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