ライバルを絶対に逃がすわけにはいかない。責任感の塊、サクラのプリンスが、宿敵のエースを相手に奮闘し、見事トップを獲得した。プロ麻雀リーグ「朝日新聞Mリーグ2020」ファイナルシリーズ、5月14日の第2試合でKADOKAWAサクラナイツ・内川幸太郎(連盟)がチームにとっての2勝目を持ち返り、首位渋谷ABEMASとの差を0.6ポイントまで詰めた。
この日、第1試合でポイントゲッター・堀慎吾(協会)が痛恨のラス。挽回を期して臨んだ第2試合の対局者は赤坂ドリブンズ・園田賢(最高位戦)、EX風林火山・滝沢和典(連盟)、渋谷ABEMAS・多井隆晴(RMU)、内川の並びでスタートした。
試合は4者譲らない大接戦。小場が続き、多井が一時は3万点を超えたトップ目へ立つものの、南2局2本場を迎えてふたたび全員が2万点台と、誰しもトップの可能性は十分だ。ここまで貯まった供託は2本。好配牌を手にした内川だが、ライバル多井がダブ南を仕掛け、供託の回収を図りにきた。無論、内川も引く気はない。絶好の6・9索のテンパイを即リーチだ。首位、そして2位のぶつかり合いの構図となった。
程なくして内川の反撃が実り、9索をツモってリーチ・ツモ・赤の4000点(+600点、供託2000点)のアガリとなった。続く南3局、多井が恐怖の親リーチ、八万単騎待ちで攻め込んでくるが、内川も發を仕掛けてカン5索のテンパイ。待ちが苦しく、周りの牌をすでに切っているために好形変化も苦しい。誰もが撤退間近と思ったその時、多井が5索を掴み、力なくツモ切った。發・赤で点数は2000点と安いが、供託の1000点を含めれば、ライバル多井と6000点の差を付ける大きなアガリだ。
これには視聴者も「これはでけえ」「大エース内川」「デバサイ」「うっちっかわっ!うっちっかわっ!」と大歓声だ。オーラスは逆転を期す園田がリーチ、これに滝沢が飛び込んで試合終了。内川は強者3人を相手に、逃げ切りトップを掴み取った。
インタビューで内川は疲労感を隠せなかった。「昨日ほとんど寝れなくて…。新人の頃のドキドキを背負いながら座りました」と極限まで高まっていた試合前の緊張を打ち明けた。首位との直接対決で、毎試合がまさに剣が峰。サクラのプリンスは「残り試合が少なくなり、ミスが許されなくなる。その責任が非常に重くて…」と、エースらしく責任感を口にした。
これで両チームの差はわずか0.6ポイント差。残り2節、首位を撃破し、シャーレを獲得するまでに内川の力は必要不可欠だ。堀とのダブルエース体制でここまでチームを引っ張ってきたプリンスに休息はない。「目標はわかりやすい。優勝一本で、Mリーグのいい終わりを迎えたい」とファンへメッセージを送ると、視聴者からもサクラの絵文字が並び、「内川プロトップおめでとうございます」「うっちーかわいー」「サクラ優勝しそうだな」「サクラの勢いはすごいよ」とエールが投稿された。
【第2試合結果】
1着 KADOKAWAサクラナイツ・内川幸太郎(連盟)3万100点/+50.1
2着 赤坂ドリブンズ・園田賢(最高位戦)2万8800点/+8.8
3着 渋谷ABEMAS・多井隆晴(RMU)2万5000点/▲15.0
4着 EX風林火山・滝沢和典(連盟)1万6100点/▲43.9
【5月14日終了時点での成績】
1位 渋谷ABEMAS +226.3(8/12)
2位 KADOKAWAサクラナイツ +225.7(8/12)
3位 EX風林火山 +31.0(8/12)
4位 赤坂ドリブンズ ▲95.3(8/12)
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)
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