「プラスならまたチャンスがもらえるかと…」丸山奏子、涙で悔いた敗戦と成長で生まれたプロらしい欲/麻雀・Mリーグ

 短い時間で多くの気持ちを吐露し続けていた最中、みるみる目が潤んだ。リーグ2度目の優勝を目指し、ファイナルシリーズ進出を果たした赤坂ドリブンズ。結果、4位に終わった後の記者会見で、涙を見せたのは丸山奏子(最高位戦)だった。チームとして4位だったことも悔しいが、それよりも自分が貢献できなかったこと、さらにはプロとしての「欲」によって、バランスを崩したことへの後悔が、涙を押し出した。「本当にチームの方に申し訳ない部分があったなと思って…」。絞り出した言葉と思いは、右往左往していた1年目の“まるこ”ではなく、Mリーガー丸山奏子のものだった。

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 2018年にプロ雀士となった丸山。Mリーガー全30選手の中でも最もキャリアが浅い。この若手女性選手を園田賢、村上淳、鈴木たろう(いずれも最高位戦)が徹底指導し、成長させながら勝つというのが、2019シーズンから打ち立てた赤坂ドリブンズのプランだ。2019シーズンこそリーグ7位に終わりセミファイナルシリーズにも進めなかったが、今年はファイナルまで進出。優勝にこそ届かなかったが、確実に前進はした。

 丸山自身の成績も向上した。個人順位は29人中20位(▲139.8)から、30人中20位(▲103.9)に。出場試合数はどちらも10試合ずつで、トップ回数は1回から2回になり、半歩前進といったところだ。ただし対局時の様子を見れば、間違いなく頼もしさ、たくましさが増した。シンプルな表現で言うならば、十分に戦えていた。本人は「私が未熟な部分が多くて、ラスも多くて、ポイントを削る要因になってしまったと実感しています」と言うが、若手だけの集まりではなく、タイトルホルダーもゴロゴロいる中での試合と考えれば、1年目との違いは歴然としている。印象で言えば、もっと勝っていてもおかしくないというものだ。

 まだプロ歴3年という若手らしく、反省のコメントを続けていたが、その時はまだ比較的に穏やかに話していた。ところが、丸山の顔が急に曇り始めたのがセミファイナルシリーズについて話し始めた時だ。ポストシーズン初出場でトップを取り、大事なところでチームに貢献できたと喜んだ。だが、その後だ。「またポイントを重ねたいと思っていたんですが焦りが出て、それが大きなマイナスにつながる麻雀を打ってしまいました。チームのために頑張りたいという気持ちもあり、この試合をプラスで終われたらまたチャンスがもらえるかもと思うところがあって…。ちょっと、すいません…」。ここで涙が溢れた。「選択とかも、何かバランスを崩してしまったと思う部分があって、そこは本当にチームの方に申し訳ない部分でした」。泣きながらなんとか話し切った。

 どれだけプロ歴が浅かろうと、プロはプロ。大きな舞台で活躍する自分を夢見て、その世界に飛び込んでいる。今の実力を考えれば、園田・村上・鈴木の誰かが出場した方が、短期決戦のポストシーズンにおける勝利の確率は高まっただろう。それでもチームの仲間に背中を押されて出場した試合でトップを取れたことで、丸山にプロらしい「欲」が身についた。もっと打ちたい、もっと勝ちたい。その気持ちと打牌のバランスを誤り、悔しい敗戦をしたことはMリーガー全選手にあるといっても過言ではない。その経験の繰り返しがトップ選手になる過程であるなら、丸山もついにそのラインに立ったことになる。

 最後に丸山は「チャンスがあれば、もっと成長してチームに貢献できればと思います」と締め括った。まだまだ雀士としても伸びしろだらけの27歳。来期、卓に向かうその姿が大きく見えたなら、悔し涙を糧にして今年とはまた違うMリーガー丸山が出来上がっているはずだ。

(ABEMA/麻雀チャンネルより)

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